取材ノート 事業者のたくましさ伝える

 物価高による節約意識の高まりで、買い物客の商品を選ぶ目は厳しくなっている。来店頻度や買い上げ点数を伸ばせるかが小売業の喫緊の課題だ。
 総合小売業のユニーは、総合スーパー「アピタ」などの売り場改装で、玩具や家電などを売る直営専門店を相次ぎ導入している。直営専門店は、「専門量販店」という総称を設けて事業化し、複数ショップを展開する。
 1カ所で何でも売る、という従来の総合スーパーの発想とは異なる取り組みだ。客の好みは細分化され、変化も激しい。ユニーでは、化粧品の業態一つをとっても、複数の屋号で客層に合わせたショップを運営する。「効率を求めていくと絶対にやらない発想。生産性がいいことは、お客さまにとって単なる不都合でしかない」(担当役員)。ユニーは顧客視点で新たなビジネスモデルを追求する考えだ。
 客から選ばれる店になるには、変えるべき点、変えない点を厳しく切り分け、実行に移す必要がある。買いたい商品が店にあれば客足は上向く。競争が厳しいなかでも、知恵と工夫で生き抜く事業者のたくましさを伝えていきたい。

 ■菊地治滋(きくち・はるしげ)47歳。群馬県草津町出身。エネルギー、鉄道、流通の各業界と、財界を担当。名古屋プレミアム付き商品券に応募したが落選。妻は当選した。長男のランドセル購入活動の資金に充てたいねと提案した。

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