【U-23】高水準の鈴木彩艶 vs 小久保玲央ブライアン 正GKの〝決め手〟を前園真聖氏が指摘

ハイレベルな正GK争いをしえいる鈴木彩艶(左)と、小久保玲央ブライアン

〝史上最高レベル〟の守護神争いの行方は――。サッカー男子パリ五輪代表メンバーの発表を7月3日に控え、オーバーエージ(OA)や各ポジションの選考は大詰めを迎えている。中でも注目されるのが、GK鈴木彩艶(21=シントトロイデン)とGK小久保玲央ブライアン(23=ベンフィカ)の守護神バトル。元日本代表MF前園真聖氏(50=本紙評論家)が、その行方を占った。

パリ五輪に出場するU-23日本代表は、本大会メンバー発表前最後の実戦となる11日(日本時間12日)の米国戦(カンザスシティー)で2―0と快勝。昨秋に4失点大敗を喫した強豪を撃破し、チームの強化は順調に進んでいる。

大岩剛監督(52)は本大会に向けて「自分の特長や強みを出すことが代表のあるべき姿だ。その中でいかに競争力を上げて、お互いが成長していくことがチーム力を上げる。そして、チームが一つになっていく流れになる」と仕上げの段階を強調している。

運命の五輪代表メンバー発表は7月3日。チームでは現在、MF遠藤航(リバプール)をはじめとしたOA選考や、各ポジションでの競争が話題を集めているが、特に脚光を浴びているのが守護神の座が誰になるかだ。

パリ世代で最初に頭角を現した鈴木はA代表の森保ジャパンに〝昇格〟し、今年1~2月のアジアカップではレギュラーとして全試合に出場した。一方で、その間に大岩ジャパンで台頭したのが小久保だ。パリ五輪アジア最終予選を兼ねた4~5月のU-23アジアカップでは守護神としてスーパーセーブを連発して出場権獲得と優勝に大きく貢献した。

2人を指導するU-23日本代表の浜野征哉GKコーチが「彩艶はクロスボールの判断や運動能力が非常に高い。玲央は試合を読む力が秀でている」とそれぞれの特長を説明するように、甲乙つけがたい争いとなっている。

前園氏は「それだけのGKがいるというのは非常に頼もしいです。彩艶にしても、この前のアジアカップでの起用では経験のなさも出ましたが、ポテンシャルも見せました。これまでGKの上背は日本に足りないところでしたが、高さは2人とも(190センチ超えで)世界でやれます。そういうところを踏まえると、今までにないほどのポテンシャルを2人は持っています」と史上最高レベルのGK争いに注目する。

では、守護神の座を射止めるポイントはどこにあるのか。「肝心なところでストップできるセービングや足元(の技術)でしょう。日本のサッカーの中では、ビルドアップでGKをつないで経由していくことがあります。そこを含めて(の判断)になるでしょう」と指摘した。怪物GK同士のバトルに注目だ。

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