大阪人も共感?「いい人」「切ない」あるあるだらけの展覧会が開幕

「電話なのにお辞儀してる人」など、日常に潜む「いい人」をイラストや文などで紹介する展覧会『いい人すぎるよ美術館+切ないすぎるよ博物館』が、6月22日から「心斎橋PARCO」(大阪市中央区)で開催。身近な人や自分の「あるある」事象がSNSで共感を呼んだ、くすっと笑える作品が勢ぞろいする。

えぇ人…スマホ片手に「縦でも撮りますね~」と言ってくれる人の像

「やだなー」と思うことを集めた『やだなー展』や店員が友達として接客する「友達がやってるカフェ/バー」など、ユニークな企画を手がけるクリエイティブディレクター・明円卓氏を中心としたチーム「entaku」と「PARCO」が共同企画した同展。

2023年11月から全国7都市の「PARCO」を巡回し、SNSでは「自分でやってることばかり」「あるあるの量がすごい」「誰もが過去になんとなく見た事あるいい人が絶妙に集まっててニヤニヤ」「『切ないすぎるよ』は哀しくも可笑しい」など、共感の声が続出。累計入場者数は10万人目前という好評ぶりで、大阪会場は最後の開催地となる。

シュールなイラストや写真で表現された「いい人すぎるよ」作品

入口から始まる『いい人すぎるよ美術館』は、イラスト、文、写真など見る側を飽きさせないよう多様な手法で「いい人」の事象を紹介。小物&説明文が並ぶコーナーもあり、ポツンと置かれた爪楊枝→「試食したからには買わざるをえない人」、トング→「BBQで『食べてる食べてる~』と言う人」など、その情景が浮かぶような仕掛けも楽しい。

怒濤の「いい人」を鑑賞した後は『切ないすぎるよ博物館』へ。こちらも「電話で勢いよく話し出したら、自動音声だった時」「印字された名簿に自分だけ手書きで付け加えられていた時」など、日常から切り取られた事象が紹介され、シンプルな文章やさりげない小物の数々が絶妙な笑いを誘う。

小物やシュールなイラスト&文で、笑いも誘う「切ない」作品が続々

また、各都市にちなんだ限定作品も登場。大阪会場では「梅田駅から大阪駅を案内してくれる人(いい人)」、「心斎橋の広い道路を渡りきれず、途中の島みたいなところで待っている時(切ない)」など、コアなご当地ネタから「阪神タイガース」「551」の王道ものまで、大阪人なら共感できる(?)作品にも注目したい。

同展の魅力について、PARCO担当者は「これまでの展覧会では『共感』した作品を撮影する方が多く、それをSNSで『共有』したい輪が広がっているのでは。作品のほとんどが敢えてシュールなイラストや文章のみなので、自分で身近な例を想像しながら楽しめますね」と話す。

「心斎橋PARCO」14階パルコギャラリーにて、7月7日まで開催。料金は1500円。時間は朝10時~夜8時(最終日は夕方6時まで)、入場は日時指定前売券が優先、当日枠に空きがある場合のみ、会場で当日券が販売される。

取材・文・写真/塩屋薫

『いい人すぎるよ美術館+切ないすぎるよ博物館』

期間:2024年6月22日(土)~7月7日(日)
時間:10:00~20:00、最終日は~18:00(入場は閉場の30分前まで)
会場:心斎橋PARCO 14F PARCO GALLERY(大阪市中央区心斎橋筋1-8-3)
料金:1500円、小学生以下は無料(保護者の同伴が必要)

© 株式会社京阪神エルマガジン社