韓国式“お見合い”ソゲティン 一体どんなもの?  SNSの登場で変化する韓国の恋愛事情とは?

韓国にも「お見合い」なるものが存在?

テクノロジーが発達した現代。SNSやアプリ・AIを通じた出会いなど、恋愛事情にも変化が生まれています。日本ではマッチングアプリの出会いがすっかり浸透していますが、他の国での恋愛事情はどうなのでしょうか? 今回は韓国にスポットを当て最新恋愛事情を調査。東京の韓国語教室「ソウルメイト韓国語学校」(新宿区大久保)に話を聞きました。

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「韓国の出会い系恋愛方式といえば『ソゲティン』です」と同校。これは男女が友人・知人からの紹介を通して知り合うというもの。韓国語で“紹介”を意味する“소개(ソゲ)”と、英語で“会う”を意味する“meeting”を合体させた造語なのだとか。

「第三者が紹介や待ち合わせの計画、初めの挨拶や雰囲気づくりまでを担うのがソゲティンです。男女が実際に落ち合うまでは紹介者は同席します。ある程度場がほぐれた頃合いを見て、紹介者は席を外します。そこから1対1でのデートが始まります。日本でいうところの“見合い”、それもかなりカジュアルなものといえるでしょう」(ソウルメイト韓国語学校)

紹介者がまるで「仲人(なこうど)」「世話役」の立ち位置であり、その存在自体が重要かつ意味があるソゲティン。ですが、それも昔の話。近年は少し様子が違うようです。

「2010年代に入ると、KakaoTalkやInstagramなどのSNSの普及とともにソゲティンの形も変化しました。紹介者の仲介は『写真を見せる』『SNSアカウントを教える』などにとどまり、会う約束などは当人同士で行うのが一般的になりました」(ソウルメイト韓国語学校)

現代のソゲティンは連絡先を交換したらメッセージアプリなどでのやりとりをし、互いのスケジュールを合わせて実際に会うというのがポピュラーな流れ。デートコースは、ランチ後にカフェに行くパターンが多いよう。このあたりは日本とよく似ています。

デート費用や内容はどんな感じなのでしょうか? 同校によると、「ランチ代は男性が払い、カフェ代は女性が払うといったケースが多いです。相手がタイプでない場合はカフェを断られることも。つまり『カフェに行く=今後に期待がもてる』と解釈できます」とのこと。ちなみに、ソゲティンにおいて、2回目以降に会うことを「アフター」と呼びます。アフターからどう恋人になるのかが難しいところではありますが、残念ながらアフターを繰り返し恋人関係に発展しない場合も多いのだとか。

マッチングアプリを使って出会いを求める人も多く、現地の韓国人いわくアプリとソゲティンの割合はおおよそ半々とのこと。また、男女がグループで出会う「ミーティング」というスタイルもありますが、アプリの流行にともない、このミーティングも韓国ならではの発展を遂げているようです。

「最近は、アプリ内で知り合った人が集まるミーティングもありますし、ミーティング専用のアプリもあります。その場合は共通の趣味などで集まることが多いようです。いわば共通の趣味を持つ知り合いを探す『オフ会』的なもの、恋愛要素強めな『合コン』的なものに分かれています」(ソウルメイト韓国語学校)

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韓国おいて、SNSは出会い方だけでなく若者の恋愛にも多様性をもたらしました。デートの際に男性が家まで迎えに行き、帰りも送り届けるというパターンは“過去のデフォルト”となり、若者世代間でこうしたやりとりは少なくなっているそうです。

(取材・文=つちだ四郎)

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