伸び続ける米国二大指数【S&P500】と【ダウ平均】の違いと共通点

「S&P500」とは米国の主要500社を対象とした時価総額ランキングの指標となる株価指数です。「時価総額加重平均型」の株価指数であるため、時価総額の大きい銘柄の値動きに影響を受けやすいという特徴があります。


S&P500の構成銘柄と特徴は?

S&P500の構成上位10銘柄(時価総額)は、以下の通りです。

マイクロソフト、アップル、エヌビディア、アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズ、アルファベットA、アルファベットC、TSMC、イーライリリー、ブロードコム

(※2024年6月22日時点の構成銘柄で、今後変更される可能性があります)

S&P500の銘柄入れ替えは四半期ごとに検討されますが、定期的に行われるわけではありません。銘柄の主な採用条件は、米国に本拠地を置き、時価総額が180億ドル以上、四半期連続黒字などで厳格な基準をクリアした優良企業で構成されます。

ダウ平均の構成銘柄と特徴は?

米国の株価指数の中で、S&P500と並んで有名なのが「ダウ平均」です。「ダウ平均株価」「NY平均株価」「NYダウ」と呼ばれることもあります。

ダウ平均とはダウ・ジョーンズ社が算出・公表している「ダウ工業株30種平均株価」でニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場している主要30銘柄の平均株価を指数化したものです。特徴として「株価平均型」の株価指数なので株価が高い銘柄(値がさ株)の値動きに影響を受けやすい部分があります。

ダウ平均を構成する30銘柄は以下の通りです。

アップル、アムジェン、アマゾン・ドット・コム、アメリカン・エキスプレス、ボーイング、キャタピラー、セールスフォース、シスコ・システムズ、シェブロン、ウォルト・ディズニー、ダウ、ゴールドマン・サックス・グループ、ホーム・デポ、ハネウェル・インターナショナル、IBM、インテル、ジョンソン・エンド・ジョンソン、JPモルガン・チェース、コカ・コーラ、マクドナルド、スリーエム、メルク、マイクロソフト、ナイキ、P&G、トラベラーズ、ユナイテッドヘルス・グループ、ビザ、ベライゾン・コミュニケーションズ、ウォルマート

IT企業の影響が強いS&P500

S&P500は、時価総額順に組入比率が決まるため、“勢い”のあるIT企業が上位を占めます。

テスラやエヌビディアがその代表例です。エヌビディアは半導体メーカーで、同社のGPUは元々ゲーム機に多く採用されていました。近年は生成AIで注目を集めており、売上・純利益ともに急速に成長しています。

2024年4月に発表した決算では前年比で売上高が3.7倍、純利益が8.7倍となり、ともに市場予想を上回りました。またエヌビディアの株価は20年で400倍になりS&P500指数を大きくアウトパフォームしています。生成AIブームが今後も続くと予想されています。

なお、エヌビディア の時価総額が6月18日、米マイクロソフトを抜いて世界首位となりました。同社の時価総額は2023年5月に1兆ドル、24年2月に2兆ドルを超えました。6月5日には3兆ドルの大台に乗せ、設立から31年で史上3社目となる「3兆ドルクラブ」入りを果たしたばかりで、驚異的な伸びとなっています。

両者の違いと共通点

一方で、ダウ平均は株価の平均により算出されるため、単純に一株当たりの価格が高い銘柄が組入比率上位となります。

上位10銘柄の合計が全体に占める割合は、S&P500が約35%(2024年5月)なのに対し、ダウ平均は上位10銘柄が全体の約半分以上を占めています。S&P500とダウ平均に、一部共通の組入銘柄はありますが、組入比率は異なります。

両者とも特徴は異なりますが、長い歴史のなかで着実に上昇を遂げています。S&P500指数は、先週も過去最高値を更新しました。

しかし過去には2つの指数が共に下降する局面もありました。2000年のITバブル崩壊(2000年8月~2002年9月)、2008年のリーマンショック(2007年10月~2009年2月)が有名ですが、結果的には右肩上がりの上昇を続けています。

ほぼ横ばいの日経平均だが期待も

一方、日経平均株価はほぼ横ばいです。特にここ10年においてその差は歴然です。日本株においても個別銘柄では着実に値上がりしている銘柄もありますが、総合的に比較すると米国と日本、両国の経済状況を反映した結果がはっきりと現れています。

日本市場は、昨年から東証が上場企業全社に促した【資本コスト株価を意識した経営の実現】によって、自社株買いを行ったり、配当を増配して成長戦略を掲げる企業が多数あります。米国市場の時価総額に相当遅れをとっている日本株ですが、少しでも追いつける事を願うばかりです。

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