オリ23歳が驚異の.415 目を引く“異例”の起用…専門家絶賛のドラ1「センス感じる」

オリックス・太田椋【写真:北野正樹】

高卒6年目の太田は5月30日の広島戦から18試合連続で3番に固定

■オリックス 4ー1 西武(23日・京セラドーム)

オリックスは23日、本拠地で行われた西武戦を4-1で勝利し、リーグ再開後、最初のカード勝ち越しを決めた。打線が復調の気配をみせるなか、高卒6年目の太田椋内野手が打線を牽引している。3番に定着し好調を維持するホープに野球評論家の新井宏昌氏は「得点圏の打席は目を見張るものがある。レギュラー定着の勝負の年」と、賛辞を送る。

試合を決めるダメ押しの一打を放った。太田は3点リードの5回1死三塁で迎えた第3打席。西武の3番手・ボーが投じた138キロのスライダーを弾き返し、貴重な追加点となる右犠飛を放った。この日は安打こそ出なかったが、ここまで打率.293、1本塁打、27打点と好調をキープしている。

ルーキーの時から太田を見てきた新井氏は「広角に打てる打撃が彼の持ち味。昨年までは怪我もあり定着できなかったが、ようやく自分の実力を発揮しつつある。安定して打点を稼ぐことができるのは一つの才能ともいえる」と評価した。

太田は中嶋監督が組む日替わりオーダーの中で、5月30日の広島戦から18試合連続で3番に固定され結果を残している。とくに目を見張るのは得点圏での打席だという。21日の西武戦では自己最長の4戦連続打点をマークするなど、ここまで得点圏打率.415と勝負強さを発揮している。

得点圏での打席は「長打を狙いたく場面でも無理をしない。センスを感じる」

「本来、走者をかえそうと外角の球でも引っ張る打者は多いが、太田はパンチ力もあり長打を狙いたくなる場面でも無理をしない。スイングをみてもセンター中心で、走者をかえす打撃ができる。得点圏という部分においてセンスを感じます。この打撃を続けることができれば、1年を通してレギュラーの選手として活躍できるでしょう」

一方で課題もあるという。「どちらかと言えば半速球を打つのが上手い打者。広角に打ち分けるのが持ち味だが、速球を引っ張るタイミングはまだ持っていない」。内角に入ってくる力のあるストレートを克服できれば、より高い率を残せると見ている。

「チームの将来を背負う選手になれるかは今が勝負の時期。試合を重ねることで得られることは多い。怪我はダメですが、多少の無理をしてでも、試合に出続けてほしい。そうすれば、紅林とともにリーグを代表する二遊間を築けるはずです」

リーグ3連覇を果たした昨季までは怪我もあり、くすぶり続けた“ドラ1”。少ないチャンスをものにした23歳が覚醒の時を迎えようとしている。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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