旭化成ホームズ、木造住宅の新ブランド「Asu-haus」のモデル棟をオープン

木造住宅の新ブランド「Asu-haus(アスハウス)」のモデル棟を東京日野市にオープンした。断熱等級7などのハイスペックな機能と環境に溶け込むデザインで新しい暮らしの価値を訴求する。

旭化成ホームズが、木造住宅新ブランド「Asu-haus(アスハウス)」のモデル棟を東京日野市にオープンした。今回のモデル棟は、60代の夫婦が住むことを想定して建てたもの。延床面積99.36㎡で、1階に台所、ダイニング、リビング、水回りを配し、2階に寝室、ゲストルーム、ウォークインクローゼット、ロフトとリビングが吹き抜けでつながっている間取りとなっている。土間や半戸外空間を備え、地域や自然とのつながりを意識。用途や生活スタイルの変化に合わせて間仕切りで区切るなど、将来の改修が不要な汎用性の高い空間とした。外観はヴァナキュラー(土着的)デザインがコンセプト。シンプルな切妻屋根と葺きおろし屋根を採用し、外壁は土壁を意識した塗り壁にするなど、日本の古民家を現代風にアレンジし、街並みに溶け込むデザインとした。

シンプルな切妻屋根を採用したモデル棟。石、木など自然素材を使ったエクステリアで自然との調和を図る

アスハウスの大きな特徴の1つが、高断熱高気密。断熱は国内最高レベルの断熱等級7(UA値0.26W/㎡・K以下)を標準仕様とする。熱伝導率λ=0.020W/(m・K)で経年劣化も少なく、断熱材の中でトップレベルの性能を持つネオマフォームを1階床から屋根まで使用。また、熱量が逃げやすい開口部にはトリプルガラス樹脂サッシ、樹脂複合枠断熱玄関ドアを採用し、高い断熱性を実現する。気密も国内最高レベルのC値0.2㎠/㎡以下を誇る。施工期間中、中間検査と完成前の2回気密測定を実施し、徹底的に隙間を防ぐ施工を行う。空調・換気システムも備え、全部屋を一定の温度、湿度に保つ。モデル棟では、夏、冬ともにエアコン1台のみを稼働。全室に温湿度計を設置し、見学者に温度ムラのない心地良さを実感してもらう狙いだ。

長く住んでもらうため、耐震性能や耐久性能も強化した。許容応力度計算による構造計算を行い、最高等級の耐震等級3、耐風等級2をクリア。強い耐力壁を採用することで、耐震性を確保しながら、内部の壁面を少なくし、開放的な空間作りを可能にした。また、集成材を用いた軸組金物工法を採用し、強い構造体とした。基礎に高強度のコンクリートを使い、木材の中にまで防腐、防蟻剤を施すなど、長期維持にもこだわった。

こうした高い技術を集約し、消費電力を一般的住宅の4割に削減。また、コンパクトでシンプルなデザインにすることで、建築に必要な資源や生活時のエネルギー消費量も削減した。時代を問わない意匠、将来の用途の変更を見据えた汎用性の高い設計にし、流通性の高い資産になることも目指している。坪単価は135万円~。東京都城南・城西地区、都下一部地域で、24年度16棟、25年度25棟を上限に販売する。

モデル棟は見学、宿泊が可能で、見学予約が殺到しているという。同社GREENOVATION推進室 未来空間研究所 星元信幸所長は、アスハウスのターゲットを「環境への意識が高く、クリエイティブで、家族との時間を大切にする層」と説明。「高性能の家に興味のある方の中でも、旭化成ホームズの技術力とブランドに信頼と興味を持つお客様が多い」と手応えを感じている。

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