更年期世代が梅雨に気になるむくみ 食事は何に気をつければ良い? 栄養士が解説

梅雨の時期に気になるむくみ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

太陽が照りつけて暑い日があれば、じめじめと雨が降る日もあったり、気温が低めの日もあったり。今の時期は、気圧や気温の変化が目まぐるしく、病気ではないのにだるさを感じることもあるでしょう。とくに更年期世代は、体のむくみが気になることも。上手に乗り切るためには、どのような食事を心がけたら良いでしょうか。栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

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梅雨の季節は体内の水分代謝がうまくいかないことも

気圧の変化や気温差が激しいと、自律神経に負担がかかりやすく、さまざまな不調を感じやすいといわれています。梅雨で湿度が高くなると、汗が蒸発しにくく、体内の水分代謝がうまくいかずにむくみが気になることもあるでしょう。とくに更年期世代は、ほてりなどで、過ごしにくさを感じることもあるかもしれません。

このような梅雨になんとなく感じる不調には、適度な運動、質の良い睡眠はもちろん、食事の見直しも大切です。古くから伝わる中医学でも、湿度が高い梅雨の時期は、汗となって体外に排泄されるべき水分が体内に停滞することでむくみやだるさ、めまい、頭痛などを感じやすいと考えられています。

バランスの良い食生活が一番ですが、現代の栄養学と併せて、梅雨のむくみやすさを上手に乗り切るために、心がけておきたい食事の3つのポイントを紹介しましょう。

その1 消化を助ける食品で胃腸をいたわる

湿度が高いと消化吸収や水分代謝がうまくできなくなり、消化不良になりがち。梅雨の時期は食欲不振になる人も多いようです。食べられないと、不調の原因になってしまいます。消化吸収を助ける、胃腸に優しい食べ物を選ぶと良いでしょう。

胃腸の調子が思わしくない場合は、おかゆやうどんなど、比較的消化が良い炭水化物を中心に、脂質が少ないタラやスズキなどの白身魚、鶏肉、豆腐、ヨーグルトなどのたんぱく質も一緒に摂ると良いでしょう。また、胃腸の粘膜を修復するといわれるキャベジン(ビタミンU)を多く含む、キャベツもおすすめです。

その2 温かいものを食べる

蒸し暑さを感じると、つい冷たい食べ物や飲み物を好んで摂取しやすくなります。しかし、冷たいものは胃腸にとって大きな負担になり、不調を起こすことがあります。また、体の冷えは血行不良につながるので、むくみの原因になることも。

できるだけ、体を温めるような食べ物を意識しましょう。たとえばショウガ、ニンニク、ネギなどの薬味や香辛料と呼ばれる食材を使った、スープなどの料理がおすすめです。汗が出るほど辛い唐辛子は、体温を下げてしまい逆効果なのでほどほどに。飲み物は紅茶が体を温めてくれます。アイスよりもホットを選びましょう。

その3 カリウムを含む食品を意識して摂取する

だるさやむくみは、体に溜まった余分な水分や老廃物が原因で起こります。これらを排出するためにも、利尿作用がある、むくみ解消の効果が期待できるカリウムを多く含む食品を摂りましょう。アボカドやバナナ、キウイフルーツ、ブロッコリー、ホウレン草、レンコンなどです。洗って生のまま食べられるキュウリやトマトなら、手軽なので食卓に取り入れやすいですね。

食からできることを工夫して、じめじめとした時期をできるだけ快適に過ごしましょう。

和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。

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