RENDEZ-VOUS(ランデヴー)、新拠点「Yokohama Base」で残価設定型の“憧れのクルマ”共同所有サービススタート

by 佐久間 秀

2024年6月21日 開催

新拠点「Yokohama Base」で新たなサービスを発表したRENDEZ-VOUSの主要メンバー

コレクタブルカーの共同所有を手がけるスタートアップ企業であるRENDEZ-VOUS(ランデヴー)は6月21日、神奈川県横浜市に車両の保管とラウンジを兼ねた「Yokohama Base」を開設。この新拠点をベースとして行なう新たなサービスを発表し、報道関係者向けの説明会を開催した。

RENDEZ-VOUSではこれまで、資産性が高く、根強いファンを持つ「コレクタブルカー」の所有権を分割することで、高額で1人では手に入れることが難しい車両を最大8人で共同所有。群馬県に置かれたRENDEZ-VOUSの拠点で保管やメンテナンスが行なわれ、防犯などにも気を遣わず「憧れの名車」のオーナーになれる共同所有サービスを行なってきた。

第三京浜道路の羽沢IC(インターチェンジ)近くに開設されたYokohama Baseを拠点としてスタートした新サービスでは、セカンドカーとしてより多くの人に「憧れのクルマ」のオーナーとなってカーライフを楽しんでもらえるようサービス内容を拡充。従来サービスでは車両価格の全額を最大8人で分割するスタイルとなっていたが、新サービスでは契約期間が満了した際に発生する車両価値の減少分とRENDEZ-VOUSによる維持管理費(駐車場、メンテナンス、保険、税金などを含む)を合算した金額を2人~8人の共同オーナーで分担する。

RENDEZ-VOUS Yokohama Baseの外観
1階フロアは13台分の駐車スペースとなっている

例えば車両価格が1000万円の車両を1年間共同所有する場合、中古車相場データベースを使った試算で算出された減少分の200万円と維持管理費の合計を共同オーナーが分割して支払うことになる。支払いは一括に加えて頭金+月額といったスタイルも用意され、従来サービスより大幅に少ない負担感で利用できるようになっている。

特定のコレクタブルカーを対象として共同オーナーを募った従来サービスとは異なり、新サービスではRENDEZ-VOUSが用意する「共同オーナー受け付けWebサイト」から希望する車種や予算、車両タイプ、こだわりたい条件などを用意されているフォームから入力して共同オーナーの申し込みを行なうと、希望の近いオーナー同士でマッチングされ、条件に合う車両をRENDEZ-VOUSが見つけて共同オーナー全員が合意すると車両の契約手続きが開始される。

車両はYokohama Baseで保管され、RENDEZ-VOUSが用意する専用アプリのスケジューラーから利用希望日などを事前登録することで、車両を共同オーナー4人の場合は72日/年、8人の場合は36日/年まで利用してドライブなどを楽しめる。すでにサイトでは第1次オーナーの募集がスタート。Yokohama Baseでは最大13台分のガレージスペースが用意されており、13台分の契約が決まった時点で募集は終了する。

なお、新サービスのスタートを受けて従来サービスは新規の受け付けを終了。今後は新サービスに注力して事業を展開していくという。

新サービスでYokohama Baseに保管される車両はこれから共同オーナーに申し込む人の希望で決定されるため、発表会当日はRENDEZ-VOUSのスタッフや関係者などが所有するクルマを「新サービスを利用するとどんなクルマに乗れるようになるのか」をイメージしてもらえるよう展示した
Yokohama Baseには外扉と内扉の2か所で指紋認証、またはスマートフォン認証でロックを解除するセキュリティを用意
車両ごとのキーは個別管理可能なキーボックス内に保管される

「共同所有という選択肢をより多くの人に広げていきたい」と浅岡代表

株式会社RENDEZ-VOUS 代表取締役 浅岡亮太氏

発表会で登壇したRENDEZ-VOUS 代表取締役 浅岡亮太氏は、新サービスをスタートさせた理由について「僕自身が誰よりも喉から手が出るほど欲しいサービスだったので、僕が欲しすぎたので作りました」と説明。すでに自身も共同所有によってYokohama Baseに展示している車両2台を手に入れており、共同所有という選択肢がなければ自分の人生に組み込むことはできなかったと述べた。そんな共同所有という選択肢をより多くの人に広げていきたいと考えてRENDEZ-VOUSを設立し、今回のサービスを作り上げたという。

これに加え、従来サービスを運用するなかで、「もう少し手軽な金額で利用できるサービスも用意してほしい」とのリクエストが寄せられるようになったことも新サービスを生み出すきっかけになっている。

「契約期間における車両価値の減少分」だけを共同オーナーで分担することで車両価格の負担を軽減する仕組み
利用開始までの流れ

従来サービスと新サービスの大きな違いとしては、車両を売却して手放す場合に従来サービスでは共同所有の割合に応じて分配金が発生していたが、新サービスでは分配金の設定を廃止している。

この点について浅岡代表は、従来サービスでは希少で価格が高く、年月を経ても価値が下がらずむしろ増えていくコレクタブルカーを扱っていたが、新サービスではより手ごろな出費で「憧れのクルマ」を所有してもらえるよう、これまでよりも中古車市場に出まわっている車両を対象にして、支払う金額も契約期間に下がる車両価値の減少分に限定。総額を頭金と月額に分けた支払いも可能となり、気軽に共同所有を利用してもらえるようにしている。なお、支払総額は車両契約時に確定するため、契約期間が終了した段階で車両価値が増減しても支払いには影響しないようになっている。

また、車両を利用できる年あたりの日数も従来サービスの3倍となっているが、これは従来サービスを運用するなかで培われたノウハウにより、メンテナンスなどによるダウンタイムのマージンをこの程度まで圧縮しても問題ないと分かってきたことから利用日数を増やすことになったとのこと。不慮のトラブルなどで長期に渡って車両を利用できなくなった場合には、車両の所有期間延長や利用できなかった期間分の料金返金などで対応する。

従来サービスと新サービスの違い
支払金額はベースとなる車両価格のほか、共同オーナーの人数や契約期間のよっても変化する
大型のキャンピングカーなども需要がありそうだと想定。また、レーシングカーなどでも希望するオーナーが集まって車両を手に入れることができれば対象になるとのこと

このほか、発表会が行なわれたYokohama Baseの2階フロアは共同オーナー向けのラウンジとなり、ソファーやバーカウンターなどを設置。大型スクリーンを利用してレースなどをオーナー同士で集まって観戦するようなイベントも行なっていきたいと説明された。

Yokohama Base2階にある共同オーナー向けラウンジ

© 株式会社インプレス