婚活で「年収600万円」の国家公務員の方と知り合いました。共働きなら、結婚後も都内で「余裕のある暮らし」は可能でしょうか…?

国家公務員の年収とは?

国家公務員の年収がどれくらいなのか、人事院の2023年のデータを参照してみましょう。国家公務員は職種や学歴などによって年収が変わりますが、今回は「大卒で行政職」として働いていると仮定します。またボーナスは4.5月分が支給されるとして計算した結果をまとめたものが図表1です。

図表1

人事院給与局 令和5年 国家公務員給与等実態調査報告書を基に筆者作成

2022年の民間給与実態統計調査によると日本の給与所得者の平均年収は約458万円です。国家公務員の場合、20代でも年収が400万円以上となっており、30代になると民間の平均年収を大きく上回ることが分かるでしょう。

さらに年齢が上がるにつれて年収も上がっていき、定年が近い60歳近くになると年収は900万円近くになります。国家公務員は給与所得者全体から見て、年収が高い傾向にあることが分かりました。

都内で生活するにはどのくらい生活費がかかる?

都内で生活していくにはどのくらいの支出がかかるのか確認していきましょう。今回は都内の高円寺エリアで築浅の賃貸2LDK住宅で暮らす場合を想定します。

リクルートが運営する不動産・住宅に関する総合情報サイト「SUUMO」で「高円寺駅から徒歩1~5分」「築年数0~5年」「建物種別アパート」という条件で検索した結果、2LDKの家賃相場は「約17万6000円」となっています(2024年5月時点)。

また総務省統計局の2023年度の家計調査報告( 家計収支編)」によると、東京都区部における二人以上世帯の平均的な支出は月34万1320円です。住居費2万6457円が含まれていますが、これを除いても支出額は31万4863円となります。

国家公務員であれば結婚後も都内で余裕に暮らしていける?

では、40歳の国家公務員と結婚したとして、都内(今回は高円寺エリアに住むと仮定)で余裕を持った暮らしを送れるのでしょうか。40代の国家公務員の平均月収を約46万円と想定し、試算していきます。

高円寺に住む場合の家賃約17万6000円と東京都区部における二人以上の世帯の平均支出(住居費を除く)「31万4863円」と足すと「49万863円」で、月に約50万円必要であることが分かります。国家公務員の平均月収の約46万円と比較すると支出が月収を上回っているため、都内で余裕のある暮らしを送るのは難しいかもしれません。

ただし共働きを選択して不足分をカバーすることで、都内でゆとりある生活をしていくことは十分可能です。あくまで相手の収入だけでは、都内で余裕のある暮らしはできない場合があるということを押さえておきましょう。

結婚後に相手の年収だけで都内で余裕のある暮らしを送れる可能性は低い!

国家公務員の年収は職種や学歴などでも異なりますが、大卒行政職の場合は20代で平均年収は約400万円、50代では900万円近くまで年収が上がっていくことを解説しました。

ただし結婚後に都内に住む場合は毎月約50万円の支出があり、国家公務員である相手の収入だけでは都内で余裕のある暮らしを送れる可能性は低くなります。共働きを検討したり、住む場所を考慮したりする必要があるでしょう。

出典

人事院 令和5年 人事院勧告・報告について
人事院給与局 令和5年 国家公務員給与等実態調査 報告書
総務省統計局 家計調査(家計収支編)二人以上の世帯 2023年
株式会社リクルート SUUMO 高円寺駅(東京都)の賃貸アパート家賃相場・賃料相場

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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