宇田川榕菴の遺徳をしのび 「榕菴忌」 「珈琲まんじゅう」をお供え/岡山・津山市 

「珈琲」の当て字を考案した津山藩医・宇田川榕菴(1798~1846)の遺徳をしのぶ「榕菴忌」が命日の22日、宇田川家3代の墓所がある岡山県津山市西寺町の泰安寺で開かれた。今年は津山東高校の生徒が心を込めてつくった「珈琲まんじゅう」が供えられ、市民ら約20人が出席した。

2021年から「津山榕菴珈琲研究会」(金田稔久会長)が引き継ぎ13回目。本堂で安田大智住職が、榕菴が西洋の植物学を紹介するために作った「菩多尼訶経(ぼたにかきょう)」を唱え、一人ずつ焼香。墓所ではコーヒーと菓子を供えて静かに手を合わせた。

この後、津山藩主御霊屋特設会場に移動し、当時の味を再現した「榕菴珈琲」で献杯した。林田の会社員・池田真由美さん(48)は「榕菴忌はずっと気になっていて、やっと参加できたのでうれしい。コーヒーが大好きなので、榕菴さんのことが誇らしいですね」と話していた。

「珈琲まんじゅう」は、津山東高校の調理研究同好会のオリジナル製品で、昨年10月の津山・城西まるごと博物館フェアで初披露。コーヒー風味の白あんをもちもちの牛皮でコーヒー豆の形状に包み込んだ。この日は同同好会の1~3年5人も出席。まんじゅうは引き菓子に使われた。食物調理科3年の菅原陽希会長は「僕自身コーヒーが大好き。身近にこんな偉人がいることが驚きですね」と語った。

記念撮影を行った津山藩主御霊屋特設会場

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