CTC、SAS製品を活用した3つの金融機関向けサービスを提供 信用リスク管理や不正取引検知などを支援

by 石井 一志

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)は24日、SAS Institute Japan株式会社(以下、SAS)の製品を活用した金融機関向けサービスを提供開始すると発表した。CTCは今回、SASがこれまでに実施した金融機関向けの開発事例から、実用性の高いアプリケーションを選定。3つのサービス「信用リスク管理」「IFRS第9号に準拠した保有資産の信用リスク計算」「不正取引検知」として提供する。

今回CTCが提供するのは、SASが金融機関向けに提供する、財務・リスク管理、犯罪対策などの機能をベースにしたもの。SASの過去の開発事例から予測精度の高い分析モデルを選定し、FISCガイドラインや、クレジットカード業界のセキュリティ基準であるPCI DSSに対応した、金融グレードのプラットフォーム上でサービスを提供するとした。

1つ目の「信用リスク管理(信用リスク計測・デフォルト確率の配信)」では、特定の期間内に債務不履行になる確率を日次でレポートし、正確に信用リスクを予測・監視する。

2つ目の「IFRS第9号に準拠した保有資産の信用リスク計算」は、国際会計基準(IFRS)規程の予想信用損失(ECL)に基づき、保有債権の信用リスク算出・会計計上を行うもの。また3つ目の「不正取引検知」では、不正取引のデータ処理をパターン化し、AIを活用してリアルタイムで取引の正常性を判定するとしている。

CTCは、こうしたSASによる開発事例の選定とアプリケーションの実装、外部システムとの連携や分析レポートの提供に加え、個別要望に合わせたカスタマイズを実施し、サービスの導入を支援する考え。今後もSASサービスの機能を拡充するとともに、デジタルマーケティングやAIを活用した分析機能を拡充し、3年間で10億円の売上を目指すとしている。

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