シトロエンが欧州で新型C3エアクロスSUVを発表、最新世代のプラットフォームで全面刷新

2024年6月19日(現地時間)、ステランティスグループは欧州でシトロエンブランドのコンパクトSUV「C3エアクロスSUV」のフルモデルチェンジを発表した。4月にエクステリアなど一部の画像が公開されていたが、いよいよ正式な発表となった。

5人乗りバージョンに加えて、7人乗りバージョンを設定

シトロエンC3エアクロスSUVは、大胆で力強いデザインとコンフォート性能を兼ね備えたコンパクトSUV。C3もSUV的な要素があるが、「エアクロス」と名の付くこのモデルは、それがより強調されている。

コンパクトなボディで3列シートの7人乗りを実現。日本車を徹底的に研究したことがうかがえる。

2019年に登場して以来、シトロエンらしい個性的なデザイン、クラスを超えた室内空間、リアシートの前後スライド&リクライニングなどによる優れたユーティリティによって、BセグメントコンパクトSUVマーケットで人気を博してきた。

今回発表された新型2代目C3エアクロスSUVは、最新世代のCMPプラットフォームを下に開発されたオールニューモデル。最大のトピックは、5人乗りバージョンに加えて、3列シートの7人乗りバージョンを設定していることだろう。

7人乗りバージョンを実現するために、全長は4.39mとやや伸ばされ、ホイールベースは2.67mに拡大されている。またその上で、水平に伸ばされたルーフと1.66mの全高で広い室内空間と大きなリアドアを確保。7人乗りバージョンでは、3列目シートはコンパクトに折りたためる構造で、すっきりと床下に収納される。

後席の居住性を重視するユーザーには5人乗りバージョンも魅力的で、ボディ形状とサイズは7人乗りバージョンと同じなので、2列目にクラス最大の広大なスペースと460Lのラゲッジスペースを生んでいる。また、ラゲッジスペースは2列目シートを畳むと最大1600Lにもなる。

ちなみに7人乗りバージョンのラゲッジスペース容量は、2列目シート使用時は330L、3列目シートを使用しても40Lは確保される。

パワートレーンは完全電動バージョンを含む3種類

パワートレーンは、最高出力100psの1.2L直3PureTechガソリンターボエンジンに加え、48Vマイルドハイブリッドと完全電動バージョンを設定。駆動方式は全車FFとなる。

リアクォーターパネルがC3エアクロスSUVの頑丈な外観を強調。バンパー下部のカラークリップは自由に色を変更できる。

48Vマイルドハイブリッドは、21kW/28psの電動モーターを組み込んだe-DCS電動DCTと組み合わされる。そのeモーターは内燃エンジンを補助して、市街地走行のほぼ50%を100%電動で走行する。

300km以上の航続距離 (WLTPモード) を誇る電動バージョンは、83kW/113psのモーターと44kWhバッテリーの組み合わせで駆動。100kWの急速充電を使えば、わずか 26分で20%から80%まで充電される。また、2025年には400km以上の航続距離を持つバージョンも追加される。

新型C3エアクロスSUVは、快適性においても新境地を切り開いている。すべてのバージョンにデュアルプログレッシブ油圧バンプストップを採用したアドバンスドコンフォートサスペンションを設定。油圧バンプストップでエネルギーを吸収して「魔法の絨毯」のようなライド感覚を実現する。

また、新しい素材と色彩のインテリアとともに、新設計されたアドバンスドコンフォートシートも快適性の向上に貢献する。

デザインはシトロエンらしく超がつくほど個性的

エクステリアデザインはシトロエンらしく個性的で、大胆なグラフィックデザインを備えたフロントフェイシア、高く水平なボンネット、フロントの下部のカラークリップがSUVらしい力強さを表現している。

広々と明るいインテリアは視界もよく開放的で、リビングルームのような機能を備えている。10.25インチのディスプレイが備わるが、メーター類は目立たないデザイン。

インテリアはエクステリア以上に先進的で、ダッシュボードとフロントガラスの下部の接合部に情報ディスプレイを組み込み、重要な転情報はヘッドアップ ディスプレイに投影するというアイデアをベースに、すっきりとデザインされている。

ボディカラーは、ペルラネラブラック、マーキュリーグレー、エリクサーレッド、モンテカルロブルー、ポーラーホワイト、モンタナグリーンの6色に、2つのルーフ カラー (ホワイトとブラック) を設定。3色のカラークリップを使って個別にカスタマイズすることもできる。

新型C3エアクロスSUVは今秋より欧州で販売が開始され、順次世界市場に投入される予定となっている。

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