アメリカ在住のトレーナー大熊理奈さんに聞く! アメリカと日本の違い。ありのままの自分を受け入れることとは?

By 大熊 理奈

「FYTTEヘルスケアトレンド2024」のトレンドワードのひとつ、「エンタフィット2024」。この言葉は、「エンタメ」×「フィットネス」を意味するFYTTEの造語。最近増えている、楽しむ要素や気軽さを打ち出した新しいフィットネスを指しています。そんな中、YouTubeでピラティスとダンスを掛け合わせた「ピラダンス」などの動画を発信しているアメリカ・アリゾナ在住のトレーナー・大熊理奈(リナ・オオクマ)さんに注目。最終回の今回は、アメリカのウェルビーイング事情や今後の目標などについてお聞きしました。

生活をしていて感じるアメリカのウェルビーイング事情とは?

――アメリカで暮らすようになって7年経つ大熊さん。アメリカのウェルビーイングについて、感じていることはありますか?
アメリカの人は、ボディーポジティブが行き過ぎているなって感じています。太っていても、開き直るじゃないですけど、「もう今の時代は太っていてもいいでしょ、これが私の体なんだから」みたいな感じで、すごく太りすぎてしまっている人たちが増えていると感じます。一方、日本は逆に、とくに20~40代くらいの女性は、「やせたい!」「やせなきゃ」って思っている人がすごく多いですよね。よくわからない社会からのプレッシャーみたいなものがすごく多いので、それはそれで問題じゃないかなって思っています。

――大熊さんは、自身のウェルビーイングについてどうお考えですか?
私は、昔からナチュラルでいることがすごく好きで。ふだんから、撮影や仕事がないときはメイクはしていません。ありのままの自分を受け入れることが、結局は自分が自分でいられる方法なんじゃないかなって考えているからです。なので、よりナチュラルでいられる方法を探しています。

――ありのままの自分を受け入れることってすごく大切ですが、その反面、すごく難しかったりしませんか? 実践するために具体的にどんなことをしているのでしょう?
根本的に変えられることと、変えられないことがあると思うんです。外見は、最近は時間やお金をかければいろいろ改善できますけど、たとえば私はアジア人なのでどんなにお尻を鍛えても、黒人の人たちや西洋の人たちのような遺伝的にきゅっと上がったお尻にするのには限界があると思っています。

遺伝の話をし始めたら、人それぞれ、骨格から全然違ってきますよね。憧れの人はたくさんいますけど、その人と同じ体型になろうという考えは捨てました。絶対に同じにはなれないってわかってますから。もちろん参考にはしますけど、まったく同じにはならなかったからといって落ち込んだり、ネガティブになるのは時間のムダだなって思うようになったんです。それよりも内面のほうが自分でコントロールできると思うんです。

じつはよく「なんで?」「なんでこうなっちゃったの?」と口癖のように言っているんです(笑)。そういう「どうして?」って思ったことは、その答えを探して、自分を変えていくことができると思うんです。なので、ありのままの自分を受け入れつつ、ダメなところは直していけばいいという考えです。

――すばらしいですね。
前に(第1弾の記事で)お話したように、私のモットーのひとつは「前に進み続ける」なので、止まっていて時間だけが過ぎていくというようなときは、何か行動を起こさなきゃいけないって思うんです。もちろんオフの時間もすごく大事だと思いますが、それ以外にたとえば私はSNSの仕事をしているので、インスタで投稿しようをしたときに、ほかの人のインスタを見てしまい30分も経ってしまった、なんてことも(笑)。情報収集は大切ですけど、娯楽として見ちゃうとすごく時間の使い方がもったいないなと反省しますね。ちゃんと時間を設定しないと時間はどんどん過ぎてしまいますから。

「意志あるものに道はある」⁉ 10年後20年後に達成したい夢とは?

――今後の夢や目標はありますか?
じつは大学生のころから持っている夢がありまして。それは、アフリカで奉仕活動をしたいということです。日本の大学に行っていたときもアフリカの北東部に位置するジブチ共和国の大使館の人や親善大使の人とつながり、物資を集めて送ったり、大学の構内に招いてシンポジウムを開いたりしたこともあるんです。
また、2022年にはじめてケニアとタンザニアを訪問し、現地の学校で授業をさせていただいたり、薬物中毒の人への物資供給のお手伝いに関わらせていただきました。

――どうしてアフリカに興味を持つようになったのですか?
高校のときに通っていた英語の塾の先生が、日本人なんですけど、東アフリカにあるタンザニア連合共和国の支援をしてまして。タンザニアに学校を作ったり、日本の学生を現地に送って視野を広げる活動をしたりしていて、よくアフリカから見る世界のお話を聞いていたのでその影響が大きいですね。私は日本に生まれたから今のこの生活がありますが、生まれた国が違えば全然違ってくると思うんです。

アフリカは、裕福な人もたくさんいますが、日本では考えられないような貧しい生活を送っている人もたくさんいて。生まれた国が違うだけで、人生がこんなにも変わってしまうというのが、シンプルに不公平だなって感じた時期がありました。それで、自分にできることをしたいと思ってやっていた時期もあるのですが、結局はお金と雇用を生み出す力が必要なんだなって実感しました。

また、アフリカにはアフリカのやり方があり、彼らなりの幸せの形もあるということを学んだので、今の事業をしっかり拡大して、納得のいく奉仕活動を届けられるようになりたいです。ただ、女性として子どもを産みたいという夢もあるので、10年先、20年先になってしまうかもしれませんが、いつかそれができる力をつけることが今の目標です。

――すばらしいお考えですね! 最後に、大熊さんのファンの人たちやFYTTEの読者にメッセージがありましたら、教えてください。
ありがとうございます!
いつも一緒にトレーニングをしてくださり、動画を見てくださり、ありがとうございます。

今の私がいるのも、これからの私があるのも、応援してくださる人や、動画を見てくださる皆さんのおかげなので、すごく感謝しています。毎年1月に帰国し、「温泉×フィットネス」というイベントを開催して、皆さんと直接会える機会を設けているのですが、その人たちにいつも言っているのが、「意志あるものに道がある」という私の好きな言葉です。いろんなライフステージにいる皆さんにお会いすると、本当に「意志あるものに道がある」という言葉そのものなんだなと実感します。

この記事を読んでくださっている読者の人たちにもいろいろな人生があり、人生に迷っていたり、道に立たされていたりすることもあると思いますが、そんなときは本当に「意志あるものに道がある」という言葉を信じて進んでいってほしいと思います。

終始、ポジティブなパワーにあふれている大熊さん。ぜひ一度、大熊さんのYouTubeをチェックして、その魅力を確認してください。

YouTube「リナ・オオクマ【Rina Ohkuma】」
https://www.youtube.com/channel/UC3D2Id9EjpEiU2eXHe-Izlg

取材・文/奥沢 ナツ

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