【早出し】寒河江で草履作りが最盛期 

夏の祭りを前に、最盛期を迎えている手編みの草履作り=寒河江市・軽部草履

 夏を彩る祭りに欠かせない草履。寒河江市の軽部草履(軽部陽介社長)は、国内生産の手編み草履でシェアの9割以上を占める。本格シーズンに向け、同社工場での製造作業が最盛期を迎えている。

 本県の草履産業は、昭和初期に西村山地方で全国6割の生産量を誇った。生活様式の変化で需要が激減し、現在は同社のみ。草履は大相撲の行司、祭り、時代劇などで使用され、年間3万~4万足が出荷される。材料は用途に応じて稲わら、トウモロコシの皮、竹皮などを使い分ける。

 荒縄に材料を編み込み、乾燥させた後に形と長さを調整し、熱を加えてプレスする。鼻緒やバンドを付け、底材を接着して完成。軽部社長(44)は「新型コロナウイルス禍の影響で祭りが非常に少なくなり、我慢の時期が続いた。草履の認知度をさらに広げたい」と話す。夏祭りに向けた製造のピークは7月末まで続く。

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