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吉村正和著「ふくろうの本」シリーズ『図説 錬金術』『図説 魔術と秘教』が6月24日に河出書房新社より発売された。
実験室、12の操作、賢者の石、四大元素、赤い王、伝説の錬金術師、密儀の手――。これら錬金術にまつわる用語は、長く人々の想像力を刺激してきました。現代でも「錬金術」を冠した創作作品は多く、漫画やアニメーション、ゲームの世界にも広く浸透している。
しかし錬金術は、その発展の歴史の中では創作にとどまらず、科学発展の原動力ともなった。さらに発展の背景には大航海時代にもたらされた金への情熱と欲望があったのだという。
一方の魔術にもやはり、宗教改革以降のキリスト教の影響力の衰えや、産業革命以降の物質主義の反動など歴史的背景がある。
それらを踏まえながら、錬金術や魔術の歴史と実践を詳細に解説し、それぞれのエッセンスを抽出し本書にまとめた。
著者の吉村は、単なるオカルトととらえられがちなこれらのテーマを、思想史、世界史に位置付けながら検証できる数少ない書き手。魔術本市場が活況な現代に、あらたな視点を投げかける1冊だ。
(文=リアルサウンド ブック編集部)