古代ローマ時代のワインを液体で発見、「世界最古」か スペイン

発見されたワインは同地域で生産されているフィノワインに似た白ワインだった/Daniel Cosano/Juan Manuel Román/Dolores Esquivel/Fernando Lafont/José Rafael Ruiz Arrebola

(CNN) スペイン南部で発掘された2000年前のローマ時代の墓から、骨つぼに入った世界最古とみられるワインが見つかった。ワインは依然として液体のままだった。

発表された報告書によれば、この骨つぼは2019年にスペイン・カルモナの住宅を改装した際に見つかっていた。つぼの中身をコルドバ大学の科学者が分析した。

有機化学の教授で報告書の主筆者はCNNの取材に対し、つぼには火葬後の遺体、葬儀のまきから出たとみられる焼けた象牙、約4.5リットルの赤みがかった液体が入っていることが判明したと述べた。

主筆者は「考古学者が骨つぼを開けたとき、我々はほとんど凍り付いた。とても驚いた」と振り返った。

調査チームが液体を分析し、それがワインだということが判明した。

主筆者は、ワインは通常すぐに蒸発してしまい、科学的に不安定なため、非常に驚いたと語った。

さらなる分析の結果、赤ワインにだけ含まれる物質「シリング酸」が含まれていなかったことから白ワインだと判明した。

研究者は、今回の発見によって、液状で発見された世界最古のワインという記録が塗り替えられたと考えている。これまではドイツで発見されたワインボトルが世界最古の液状のワインと考えられており、約1700年前のものとみられている。ただし、ドイツで見つかったワインボトルの年代は化学的な分析によって確認されてはいない。

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