60年代フランスを代表するアイコン女優『ブリジット・バルドー レトロスペクティヴ BB生誕90年祭』2024年9月開催決定!

2024年9月で生誕90年を迎えるフランスの女優ブリジット・バルドーの特集上映『ブリジット・バルドー レトロスペクティヴ BB生誕90年祭』(提供・配給:キングレコード)を、9月13日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国の劇場で開催されることが決定した。

幻の傑作『私生活』を始めとする11作品を一挙上映!

無造作なブロンドヘア、スモーキーなアイメイク、大きな口とめくれ上がった厚い唇、バレエレッスンで鍛え上げられた身体。
彼女の名前はブリジット・バルドー。愛称はBB(ベベ)。60年代を代表するファッションアイコンであり、タブーを打ち破るポジティブな官能性で、フランス女優として初の世界的大スターとなった。

1934年9月28日生まれ。父親は実業家、母は保険会社の重役の娘という、ブルジョワの家庭に長女として誕生。エッフェル塔に近い高級住宅街、パリ16区で育つ。幼少期よりバレエに夢中になりコンセルヴァトワールに入学。10代のころは眼鏡をかけて、少し出っ歯、やせっぽちな自分にコンプレックスを抱えていたが、14歳のときに雑誌「エル」の表紙を飾ったことをきっかけにモデルとして活動、やがてマルク・アングレ監督の目に留まり、運命の輪が回り始める。最初の夫であるロジェ・ヴァディムが監督した『素直な悪女』(1956)はフランスよりもアメリカで空前絶後の大ヒットを記録し、一躍スターに。一方、プライベートでも次々と恋人を作り、結婚と離婚を繰り返し、ときに自殺未遂……その役柄とも重なる放縦な振る舞いをマスコミや社会が騒ぎ立てバックラッシュに遭っても、思うがままの生き方を貫いた。 60年代に入ると、アンリ=ジョルジュ・クルーゾー、ルイ・マル、ジャン=リュック・ゴダールなど錚々たる監督たちとの仕事で、女優としての存在感を高めていく。既存の価値観を否定した革新的なヌーヴェルヴァーグの作品に最も相応しい女優の一人として、バルドーは存在した。 しかし、その波乱万丈のキャリアは自らの宣言によって終わりを迎えることとなる。39歳のときだった。

BBは堂々と旧習を乗り越える、掟破りの存在だった。スクリーンの中でもプライベートでも、欲望に素直に従い、それを悪びれない。BB自身はフェミニストではないが、女性解放の象徴といえる人物だ。社会による性的抑圧を軽やかに跳ねのける、自由奔放な女性像を体現していた。だからこそ彼女の崇拝者の中には、フェミニズムの草分けとされる『第二の性』を著した作家・哲学者のシモーヌ・ド・ボーヴォワールや、18歳のときに『悲しみよ こんにちは』でセンセーショナルなデビューを果たした作家フランソワーズ・サガンらがいた。特にボーヴォワールは1959年に発表したエッセイ『ブリジット・バルドーとロリータ症候群』の中で、BBのことを「女性史を推し進める機関車」と呼び、戦後フランスで最初の、そして最も解放された女性として紹介した。

このたびの特集上映はバルドーが今年9月に90歳を迎えることを記念して、ブリジット・バルドーの最高傑作と名高いルイ・マル監督、マルチェロ・マストロヤンニ共演の『私生活』(1962)を始めとする50年代から70年代初頭までの主演作10本と、日本初公開となるドキュメンタリー映画のラインナップでバルドーの足跡をたどる。

「カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション®2024」にて先行上映決定

この特集に先駆け、『裸で御免なさい』と、日本初公開のドキュメンタリー映画『ブリジット・バルドー 誤解』を特集上映に先行して上映する。上映日は8月4日(土)。

『裸で御免なさい』 原題:EN EFFEUILLANT LA MARGUERITE
処女作出版のためパリに出てきた小説家志望のお転婆ヒロインが、手違いで高価なバルザックの初版本を売りとばしてしまったため、やむなくストリップ大会に出場し、一攫千金を狙うコメディ。まだ20代前半の若きブリジット・バルドーが眩しいほどにチャーミングな初期代表作の1本。監督はミシェル・ポワロンと並び、初期バルドーとのコンビ作が多いマルク・アレグレ。バルドーの当時の夫ロジェ・ヴァディムが脚本で参加。
監督:マルク・アレグレ 原案:ウィリアム・ベンジャミン 脚本:ロジェ・ヴァディム、マルク・アレグレ 
出演:ブリジット・バルドー、ダニエル・ジェラン、ロベール・イルシュ、ナディーヌ・タリエ、ジャック・デュメニル、ダリー・カウル

「ブリジット・バルドー誤解」©GAUMONT TELEVISION, CD PRODUCTION, INA, ARTE FRANCE, 2013

『ブリジット・バルドー 誤解』 原題:Bardot, La Meprise
ブリジット・バルドーの熱狂的崇拝者であるデヴィッド・テブール監督が、主演作から多数のフッテージを用いて、バルドーの生涯をその子供時代から家族との貴重なプライベート・ショット、そして女優としてのキャリアのハイライトまで、ビデオレターのような手法で考察していく集大成ドキュメンタリー。朗読を担当するのは『セリーヌとジュリーは舟でゆく』(73)の名女優ビュル・オジエ。バルドーの同時代人として、ジャン・コクトー、アンリ=ジョルジュ・クルーゾー、サミー・フレイ、ジャン=ルイ・トランティニャン、セルジュ・ゲンズブール、ロジェ・ヴァディム、ジャン=リュック・ゴダールなどフランスの重要な映画・音楽界の重鎮たちのほか、文化的アイコンも多数登場する。
【日本初公開】
監督:デヴィッド・テブール 音楽:マチュー・ランボレー 自伝朗読:ビュル・オジエ
出演:ブリジット・バルドー、セルジュ・ゲンズブール、ロジェ・ヴァディム、ジャン=ルイ・トランティニャン、ジャン=リュック・ゴダール

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