フェラーリ、新プラント「e-ビルディング」公開 バッテリEVやハイブリッド、内燃エンジン車を生産する総合施設

by 編集部:椿山和雄

2024年6月21日(現地時間) 発表

「e-ビルディング」

フェラーリは6月21日(現地時間)、フェラーリ初のEV(電気自動車)や、HEV(ハイブリッド車)、ICE(内燃エンジン車)を生産するプラント「e-ビルディング」の落成式を開催した。フェラーリでは、e-ビルディングを通じて、収益の額より質を優先するという戦略に従って生産の柔軟性を強化させるとしている。

e-ビルディングの総床面積は4万2500m で、地下が一般システム、1階が車両組み立ておよび物流、中2階が一般システムやオフィス、2階がエンジンやコンポーネント、車両組み立てといった構成。環境へ配慮し、太陽光発電システムとしてピーク電力で1.3MWを発電する太陽光発電パネル3000枚以上を採用。また、デジタルインフラとして生産情報管理用にWi-Fi 6.0を採用、超広帯域無線通信規格の採用により、組み立て中の部品の位置特定や3D表示、AGV(コンポーネントや車両を運搬する無人搬送車)の衝突防止などを実現させたという。

そのほか、駐車場は1400台のパーキングスペースを用意。必要台数を大幅に上まわる台数を用意することで、従業員が地元の公共駐車場に与える影響を緩和させた。

新プラントでは、内燃エンジン、ハイブリッドエンジン、新しい電気モーターの生産と開発が行なわれ。高圧バッテリ、eアクスルや電気モーターなどの電気コンポーネントも生産される。フェラーリでは、すべてのエンジンや電気モーターの生産を1つのプラントに統合することで、マラネッ口にある既存の施設間でのすべての生産活動をより効率的に再編成・再配置し、生産ニーズへの対応能力を高める。

落成式には、イタリア共和国大統領セルジョ・マッタレッラ氏立ち会いのもと執り行なわれ、フェラーリのジョン・エルカーン会長、ピエロ・フェラーリ副会長、ベネデット・ヴィーニャCEOやフェラーリの代表社員たちが大統領を迎えた。

フェラーリのジョン・エルカーン会長は「e-ビルディングの落成式にマッタレッラ大統領をお招きできたことを光栄に思います。われわれが人を中心とした職場と環境への配慮を兼ね備えたプラントに投資することは、自信を持ってフェラーリの未来に備えるために不可欠であり、イタリアの卓越性と我が国に対するわれわれのコミットメントを確実にするものです」と述べた。

フェラーリ初のEV(電気自動車)や、HEV(ハイブリッド車)、ICE(内燃エンジン車)の生産プラント「e-ビルディング」

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