ElevationSpace、福島県の地域復興促進事業に採択–浜通りを起点にバリューチェーンを構築

ElevationSpace(仙台市青葉区)は福島県の「地域復興実用化開発等促進事業」(2024年度)に選ばれた。6月24日に発表した。

同事業は、いわき市や相馬市などの浜通り地域を中心に早期の産業復興を実現させることが目的の国家プロジェクト「福島イノベーション・コースト構想」で地元企業や地元企業と連携して進める実用化開発を支援する制度。

廃炉やロボット・ドローン、航空宇宙などの分野でプロジェクトの具体化を進めるとともに産業集積や人材育成、交流人口の拡大などに取り組んでいる。中小企業で自治体連携推進枠での採択では、補助上限は1年間で7億円(補助率は4分の3)、最長3年間の事業計画を補助する。

ElevationSpaceは、2023年3月に福島県南相馬市に支社を設立し、同年4月には南相馬市と連携協定を締結している。

2024年4月には、南相馬市にある福島ロボットテストフィールドで、宇宙から地球に帰還する「回収カプセル」の着水衝撃試験を実施。開発する宇宙環境利用・回収プラットフォーム「ELS-R」に必要となる会場での実証実験でも調整を進めている。

南相馬市をはじめとする浜通り地域には、製造業を中心にした宇宙との親和性の高い企業が多数あり、地元企業とものづくりで連携しているという。

補助金に採択されたことで、これまでの取り組みを一層加速するとともに南相馬市内に衛星組立拠点とハイブリッドスラスタ真空燃焼試験場を設置する検討を進めていくとしている。

国内で宇宙機を開発する上でのボトルネックのひとつとされている、研究開発、製造、試験の各拠点が点在することでスピーディーに開発できないという問題を解消するため、浜通り地域に宇宙産業のものづくりエコシステムを集約し、地元の雇用創出や産業発展にもつながるようなバリューチェーン構築に貢献すると方針を明らかにしている。

福島県の地域復興実用化開発等促進事業にはインターステラテクノロジズも選ばれている

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ElevationSpaceプレスリリース

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