水分補給で「ペットボトル症候群」に 糖分を多く含む飲料の飲みすぎ注意 「隠れ糖尿病」のおそれも

テレビ愛知

夏の熱中症対策に不可欠な水分補給。積極的に水分をとりたいところですが、ジュースやスポーツドリンクなど糖分を多く含む清涼飲料水を大量に飲むと、血糖値が急激に高まりさまざまな症状が出る病気、「ペットボトル症候群」になる可能性があります。そんなペットボトル症候群について調べました。

一番のサインは「激しいのどの渇き」

最近はペットボトルで水分をとることが多いので、「ペットボトル症候群」と呼ばれていますが、糖分が多い飲み物であれば缶や紙パックに入っていても同様です。ペットボトル症候群を発症する過程を説明します。

1. 糖分が多い飲み物を飲むと、血糖値が急激に上昇
2. 糖の代謝を調節し血糖値を下げるインスリンが分泌される
3. 糖分が多すぎると、インスリンが十分に働かず、血糖値が下がらなくなり、倦怠感や疲れやすいといった症状が出る
4.悪化すると意識がもうろうとして昏睡状態に陥り、最悪の場合、命にかかわるおそれも

一番のサインは「激しいのどの渇き」です。過剰な糖を薄めるために体は水分をほしがります。余分な水分と糖分を体の外に出すため尿が多くなり、さらにのどが渇くのです。

ヨーグルト飲料はスティックシュガー22本分の糖分量

もし激しいのどの渇きを感じたら、糖分の入った飲み物は控えましょう。飲んでしまうとさらにのどが渇き、また飲むという悪循環に陥ります。

下記は豊川保健所が調べた500ミリリットルあたりの糖分量です。1本3グラムのスティックシュガーに換算してみると、ヨーグルト飲料は22本になります。

【飲料500ミリリットルの糖分量】(愛知県 豊川保健所)
・お茶や無糖のコーヒーは0グラム
・野菜ジュース 24グラム
・スポーツドリンク 27グラム
・果汁100%のオレンジジュース、サイダー 51グラム
・コーラ 57グラム
・ヨーグルト飲料、フルーツの色がついた炭酸飲料 66グラム

全国清涼飲料連合会によると、体形にもよりますが約50グラムの糖分を含む500ミリリットルの飲み物を1日3本以上、1カ月以上連続で飲むとペットボトル症候群のリスクが上がります。

東京医科大学病院、糖尿病・代謝・内分泌内科の鈴木亮主任教授は、糖分を含む飲料を習慣的に飲み続けないことが大事と話します。甘い飲み物の次には糖分を含まない水やお茶、コーヒーなどを飲んで、継続的に血糖値が上がるのを防ぐと良いそうです。

「糖類ゼロ」と表記された飲み物にも注意が必要です。100ミリリットルあたり糖類0.5グラム未満であれば「糖類ゼロ」と表記されます。少量の糖分が含まれているものもあるので、大量に飲み続けるのは危険。鈴木亮主任教授はペットボトル症候群の患者に多いのは自分が糖尿病という自覚がなくても、じつは血糖値が高い「隠れ糖尿病」の人だといいます。

普段から健康診断を受けて自分の血糖値を把握し、血糖値が高い人は甘い飲み物を控えましょう。隠れ糖尿病はなくても、冷たい飲み物を飲む機会が増える季節、甘いものの飲みすぎには注意してください。

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