小祝さくら11勝会見で報道陣ズッコケ 海外より「日本食最高」も…今週は「イタリア料理を3回」

アース・モンダミンカップで優勝した小祝さくら【写真:Getty Images】

アース・モンダミンカップ最終日

女子ゴルフ国内ツアーのアース・モンダミンカップ最終日が24日、千葉・カメリアヒルズCC(6688ヤード、パー72)で開催された。降雨によるコースコンディション不良のため、今大会では4年ぶりに「月曜最終ラウンド(R)」を実施。2位と6打差の首位で出た小祝さくら(ニトリ)が、3バーディー、2ボギーの71で回って通算16アンダーとし、今季2勝目、通算11勝目を飾った。国内ツアーを主戦場とする山下美夢有(加賀電子)がKPMG全米女子プロ選手権で2位に入り、パリ五輪代表に“当確”したばかり。小祝は祝福を送りつつ、自身は改めて「海外に興味なし」を明言した。

最終18番パー5。2メートルのパットを沈め、小祝が有終の美を飾った。月曜最終Rでギャラリーは362人。「最終日(23日)のチケット半券を持っている人」に限定されていたためで、小祝は「コロナ禍の無観客試合を思い出しました」と言いつつ、「日曜日に来てくださっていたファンの方が今日もいらっしゃって、声援が励みになりました」と感謝した。「予備日の月曜日に試合をするもの新鮮でした」と実感を込めた。

ただ、この日はショットの不調に苦しんでいた。「カギになる」と話していた第1打が左右にぶれ、「やばいな」と焦った。6打差の大量リードは一時2打に縮められたが、「大きな修正はできない。フォローの位置を少し変えてみよう」と考えつつ、後半には「調子が悪いので、追いつかれたら仕方ない」と開き直り。それが、14番パー5、15番パー3での連続バーディーにつながった。

「17番では池に入りそうなボールが(淵で)止まっていて、ラッキーでした。でも、15番ロングで15メートルのバーディーパットが入った時の方がうれしかったです」

最終的には、2位の安田祐香に3打差をつけての勝利。今季2勝目、国内ツアー史上最高の優勝賞金5400万円を手にした。「すごくうれしいです」と喜び、「(記念に)私服とか買いたいです。いろんなコーディネートができるものを買いたいです」と笑みを浮かべた。

小祝は1998年度生まれの黄金世代の1人。今季は小祝の2勝を含め、5人で6勝を飾っている。米女子ツアーを主戦場とする畑岡奈紗、渋野日向子、勝みなみを含めて多くの選手が活躍し続けているが、小祝はライバルたちに感謝を込めて言った。

「アマチュアの時からみんな強くて、切磋琢磨してきました。私はそんなに強くなかったので、『頑張らなきゃ、ついていかなきゃ』と思っていました。そういうモチベーションにさせてくれる選手がたくさんいたので、その辺は大きいなと思います」

そして、小祝は「このまま日本を主戦場にしたいです」と明言。「各地でおいしいものを食べることぐらいがモチベーションなので」「海外に行くとおいしいものが食べられるかどうか……日本食最高です」と“日本愛”を表現した。

ただ今週食べたものを問われると「イタリア(料理)です」とコメント。取材陣をズッコケさせた。

「チーズリゾットオムハヤシがおいしかったんです。同じものを3回食べました(笑)」

会見場の空気が和む中、今後の目標を問われると「(国内)メジャーで勝ちたいです」と話した。同じ国内ツアーを主戦場とする山下がKPMG全米女子プロ選手権で2位に入り、パリ五輪の代表に“当確”したことを喜びながらも、自身の五輪出場への関心度を問われると「私は意外と関心はなくって」と返答した。

「2枠しかないのは厳しいですよね。4年後はゴルフをやっているか分かりませんし」

とはいえ、小祝はこの日もラフからカットスイングでグリーンを捉え、急斜面からのアプローチをピンそばにつける高等テクニックを披露。日米を通じて223試合連続出場のタフさもある。通算11勝目を手にした26歳は、まだまだこの日本を拠点に輝き続ける。

THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida

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