好対照なダブル主人公が示す“課題への回答” 日本が舞台の『アサシン クリード シャドウズ』ハンズオフレポ&プロデューサーインタビュー

「アサシン クリード」シリーズは紛れもなく巨大な存在であり、その実態を一言で説明するのは難しい。すっかり定型文となった「もはやアサシンではない」という批判が示すように、初期作品における「パルクール+ステルス」というイメージは、いまやゲームプレイにおけるメカニクスの構成要素の一つでしかない。どちらかといえば、同シリーズを形容する言葉としては「史実や伝承、神話などのエッセンスを加えた歴史SF」の方が割合としては大きくなっている印象だ(その背景としては、オープンワールド化した作品に対して、戦闘・戦術のワンパターン化を防ぐ意図が大きいのだろう)。

とはいえ、近年の「アサシン クリード≒歴史に忠実」というイメージに関しても、個人的にはやや一人歩きしすぎているような気もする。『アサシン クリード オデッセイ』(以下、『オデッセイ』)ではミノタウロスやメデューサといった怪物と戦うことになるが、もちろんこれらは現実の歴史には存在せず、あくまで神話の一部としてギリシアで語り継がれてきたものだ。だが、そうした「当時の人々の想像力」を表現するのはフィクションの醍醐味であり、ビデオゲームという表現手段の得意とするところでもある(何より、ずっと似たような人間と戦い続けているよりも、たまにはこうした怪物と戦った方がゲームとして面白いだろう)。とはいえ、歴史にインスパイアされている以上は、慎重にさじ加減を調整する必要があるのも確かだ。

ゲームプレイやストーリーテリングにおける「らしさ」と「面白さ」のバランスをどのように扱うか。近年の「アサシン クリード」が興味深い存在なのは、同シリーズがそうした課題と対峙しながらさらなる拡大を続けているからだ。

日本時間6月11日に実施された『UBISOFT FORWARD 2024』で披露されたシリーズ最新作『アサシン クリード シャドウズ』(11月15日発売、以下『シャドウズ』)のゲームプレイ映像は、ただ同作の一部分を切り取るのではなく、同作における二人の主人公「弥助」と「奈緒江」のプレイスタイルの違いに焦点を当てていたのが印象的だった。それは、シリーズにおける異端児にして傑作の『オデッセイ』を手掛けたUbisoft Québecが提示しようとする、課題に対する一つの回答のようにも感じられる。

今回、同イベントに合わせて実施されたメディア向けハンズオフ・プレビューでは、実際に同映像における一連の流れが実機上で動く様子を見ながら、イベントでは公開されなかった内容についても知ることができた。また、プレビュー後には本作のプロデューサーを務めるKarl Onnée氏のインタビューも実施しており、本稿ではプレビューのレポートとインタビューを併せて掲載している。シリーズファンも、本作で初めて興味を持ったという方も、その理解をさらに深めるきっかけになれば幸いだ。

■一年を通しての季節の変化を描く、日本が舞台の『アサシン クリード シャドウズ』

今回のハンズオフ・プレビューは、イベント本編と同様にアメリカ・ロサンゼルスの劇場、The Belascoにて実施された。『シャドウズ』のブースは、本作のイメージカラーとも言える赤い照明(もともと、本作は「RED」というコードネームで呼ばれていた)や障子などの装飾で彩られ、主人公が使用する日本刀や鎖鎌、甲冑や忍び装束などのレプリカや、コレクターズ・エディションに同梱されるフィギュアが展示されているという『シャドウズ』仕様。注目作ということもあって会場には多くのメディア関係者やコンテンツクリエイターが集まっており、賑やかなムードでプレゼンテーションがスタートした。

今回のメインスピーカーを務めたのは、本作のリード・ライターを務めているAlissa Ralph。彼女による説明を交えながら、アソシエイト・ゲーム・ディレクターのFelix Lalibertéが実際にデモを操作するという形式で、ハンズオフ・プレビューが進行していく。ちなみに、あくまで開発中のデモという前置きはありつつも、特にバグや怪しい挙動が見られるような場面はなかった(今回掲載しているスクリーンショットはすべて開発中のものであるため、注意してほしい)。

まず始めに、今回の舞台設定が日本であることをあらためてAlissa氏が告げると、会場から歓声が寄せられる。『シャドウズ』の物語が描かれるのは安土桃山時代の日本であり、これまで世界各国の歴史上の出来事を舞台としてきた「アサシン クリード」のファンからの要望も非常に多かった場所・時代設定だ。Alissa氏自身も、ついに日本を舞台とした「アサクリ」が作れることに大きな喜びを感じていると語っていた。

今回のプレゼンテーションの主要なトピックとなっていたのは、(イベントと同様に)「日本の気候や四季の表現」、「二人の主人公」の二点である。前者については実際のゲームプレイ映像では特に触れられてはいなかったが、デモの舞台となっていた福知山が美しい桜に彩られていたように、本作には季節の変化が存在し、春夏秋冬に応じて景色が変わっていくことが語られていた。しかも、変わるのは景色だけではない。たとえば、夏になれば草木が生い茂り、身を隠すことのできる場所が増えるといった具合に、その変化はゲームプレイ自体にも影響するそうだ。気になるのは、「四季が表現されるということは、一年以上続く物語が描かれるのだろうか?」ということだが、今回のプレビューではそこまで掘り下げることはできなかった。

もう一つのトピックであり、今回のメインでもある「二人の主人公」については、ゲームプレイ映像を見る前に、あらためて両者の紹介とその特徴が語られた。一人目の主人公となる奈緒江は日本人の忍であり、さまざまな道具やスキルを活用して暗殺を遂行するという、まさに「アサシン クリード」らしさが表れた人物でもある。映像ではシリーズを象徴する要素でもあるイーグルダイブや鷹の目(イーグルビジョン)を使う様子も見られ、シリーズ全体の物語にも直接的に関わる人物であることが推測できる。

そして、もう一人の主人公が、シリーズ史上初となる実在の人物を抜擢した、アフリカ人の侍である弥助だ。彼の特徴は、重厚な甲冑を身に纏い、日本刀などの武器を構え、正々堂々と正面突破に挑むという、まさに侍らしい立ち振る舞い。Alissa氏が強調していたのは、彼が持つ“アウトサイダーとしてのユニークな視点”であり、海外からやってきた人物である弥助がどのように当時の日本と向き合うのか(それは同時に、本作のプレイヤーベースの大半を占めるであろう日本人以外のプレイヤーや、開発者自身の姿ともある程度重なるだろう)が作品における一つの重要なポイントとなることが語られていた。

■もはや別のゲーム? ハンズオフ・プレビューから分かった二人の主人公の違い

ここからは実際のゲームプレイを鑑賞することになるのだが、イベントで公開された「弥助が福知山を訪れ、ボス(藤岡)を倒し、ミッションを引き継いだ奈緒江による夜の城を舞台とした暗殺が遂行される」という約13分のゲームプレイ映像は、今回のハンズオフ・プレビューの前半部分に相当している。そのため該当箇所の詳細については実際の映像を見ていただくのが早いだろう。そのなかでも特にプレビューの会場での反響が大きかったパートは、やはり弥助による想像の遥か上を行くパワフルな戦闘スタイルと、これまでのシリーズの中でも特に印象的なフィニッシュ・カットであった(そして柴犬とのふれあいも忘れてはならない)。

そして、今回のプレビューでのみ公開されたのが、城攻略パートにおける「弥助を選んだ場合」と、「奈緒江が日中の時間帯に潜入した場合」という二つの別パターンのプレイスルーである。

まずは弥助を選んだ場合だが、奈緒江が壁を登ったり、鈎縄を活用して高所を移動することで敵から身をくらませていたのに対して、彼はまさに正面突破型。白昼堂々、正門から敵陣へと突入し、とてつもない力強さで目の前に立ちはだかる相手を次々と捌いていく。なんといっても強烈なインパクトを誇っていたのが、かんぬきで閉じられていた門をショルダータックルで丸ごと破壊して突破した場面であり、これには会場からも特に驚きの声が上がっていた(ちなみに弥助は、部屋を仕切る障子も次々と破壊していた)。

また、弥助は鉄砲(!)の使い手でもあり、遠くに見える複数人の相手に次々と発砲して爆音で吹き飛ばしたり、火薬が詰まった樽のようなものに発砲することで大きな爆発を引き起こして集団をまとめて蹂躙するなど、遠距離戦においても存分にパワフルな戦いっぷりを見せつけてくれる。銃自体は過去作にも登場していたが、火縄銃の盛大な破壊力はやはり新鮮そのものだ。

一方で、奈緒江が鈎縄や水遁の術といったさまざまな道具や技術を使いこなしていたのに比べると、そうした場面は(少なくとも今回のプレビューでは)見当たらず、あくまで弥助の戦い方が正面突破に特化していることが推測できる。今回のインタビューにおいても彼が壁を登ることすらできない(!)旨が明言されており、一言でまとめるのであれば「爆音とともに正面突破で豪快かつパワフルに切り抜ける」のが弥助のプレイスタイルということになるだろう。近い印象としては、シリーズ前々作となる『アサシン クリード ヴァルハラ』だが、同作が基本的には正面突破型でありつつも、時にはステルスや暗殺が重視されるというバランスになっていたのに対して、本作は明らかにそれ以上に振り切っている。

また、そうした二人の主人公の違いは、奈緒江による日中の城攻略パターンからも強く感じることができた。まず、暗闇を有効活用できる夜間とは異なり、基本的に日中は隠れる場所が少ないために、根本的に全体のステルスの難易度が上がっているように見える。また、体格のある相手には、たとえステルスアタックのアイコンが表示されていたとしても、暗殺を完遂する前に振りほどかれてしまうし、弥助が正面から盛大に破壊していた門に関しても、奈緒江は開けることすらできない。プレビューでは彼女が正面から戦闘に挑む場面も用意されていたのだが、鎖鎌や短刀を華麗に操るアクションこそクールでありつつも、相手を倒すためには弥助以上の手数を必要としており、一撃を喰らった場合の被ダメージも多くなっているようだ。複数人相手の戦闘に向いていないのは明確であり、やはり基本的には隠れて戦うことを前提としているように思える。これは、『オデッセイ』や『ヴァルハラ』のような近年の作品における「ステルスに失敗しても戦える」というデザインとは異なり、原点回帰作となった前作『アサシン クリード ミラージュ』に近いように感じられる。

ここまで書いてきた内容からも分かる通り、『シャドウズ』における二人の主人公のプレイスタイルは、もはや別のゲームなのでは?と思うくらい大きく異なっている。それは、『ヴァルハラ』に至るまでの各シリーズの主人公がなんとか両立しようとしてきた「アサシン クリード」のプレイスタイルのバランスを、「パワフル&正面突破」な弥助と「スタイリッシュ&ステルス」な奈緒江に完全に分けてしまったと捉えることもできるだろう。特に弥助に関しては、まさに「これは「アサシン クリード」なのか?」という疑問に正面からNOを突きつけているように感じるくらい大胆に振り切っており、その思い切りの良さに驚かされる。

それでは、ここまでの内容を踏まえたうえで、本作のプロデューサーを務めるKarl Onnée氏のインタビューに移っていこう。このような違いを描いた背景に加えて、ゲームプレイ映像を見て気になった点や、本作における取り組みについても併せて伺った。

■『アサシン クリード シャドウズ』プロデューサー:Karl Onnée氏インタビュー

――本日はありがとうございます。では、まずは『アサシン クリード シャドウズ』における二人の主人公の違いについて、あらためて教えていただけますでしょうか。

Karl Onnée:まずは忍の奈緒江ですが、彼女はとても機敏で、暗殺能力に長けています。ですが、同時にとても弱い人物でもあるのです。なぜなら、鎧(甲冑)を着ていませんからね。そして、もう一人の主人公が弥助です。彼は戦闘能力を重視した侍で、奈緒江よりも積極的に戦いに身を投じることができます。甲冑を着ているので、より多くのダメージに耐えられますし、より多くの相手と同時に戦うことができます。ですが、だからこそ彼はとても目立ちます! とても身長が高いですし、奈緒江のように壁を登ったり、地面を這ったりすることもできませんからね。

また、武器や道具で言うと、奈緒江は短刀などの独自の武器を持っていて、クナイや手裏剣といったさまざまな道具を使うこともできます。総じて弥助よりもステルスに向いていますね。一方で、弥助もまた金棒や薙刀といった異なる武器を使うことができます。鉄砲や弓も使えますよ。ですから、二人のプレイスタイルはとても大きく異なります。奈緒江は夜の闇に隠れて静かに行動するのに長けていますし、弥助は正門から正々堂々と挑むほうが良いでしょうね。

二人はそれぞれが得意領域や異なるスキルを持っているというだけではなく、それぞれの物語があり、日本という場所への見方もまったく異なります。奈緒江は地元の人間ですし、なんといっても日本人です。ですが、弥助は外国から来た人物ですし、アウトサイダーです。彼は物語を通して、自分についてだけではなく、日本という国についても学んでいくのです。

――今回、実際のゲームプレイ映像を拝見して、弥助が想像を遥かに超えてパワフルであることにとても驚かされました。彼は確かに侍ではありつつ、一方で私が普段イメージする「侍」の姿とも少し異なっているように感じます。なぜ、ここまで大胆に振り切ったのでしょうか?

Karl Onnée:今回、私たちが強調し、全面に押し出したかったのは、奈緒江と弥助をまったく異なる主人公にするということでした。なぜなら二人とも同じようなことができてしまうよりも、「侍」と「忍」という異なる存在の違いをはっきりと見せたかったからです。それぞれの得意分野を明確にして、それをより強く感じられるようにしたかったのです。

そのために、ただ説明するだけではなく、ある程度誇張することによって、よりそうした印象を強めることにしました。それに、実際の歴史においても弥助はとても背の高い人物(注:記録によると約182cm。当時の男性の平均身長は155cmとされている)ですし、織田信長も彼について「10人分の力がある」と語った言葉を残していますからね(注:「十人力の剛力」と語る記録が残っている)。だからこそ、その強さを実際のゲームプレイを通して表現したかったですし、なにより楽しいものが作りたかったんです。

――今回のゲームプレイ映像のHUDを見ると、奈緒江は手裏剣など以外にもさまざまなアイコンを確認することができたのですが、ほかにもいろいろなスキルが使えると思って良いのでしょうか?

Karl Onnée:そうですね! たとえば、鈴を投げて音を鳴らすことができたり、煙玉を使って相手を撹乱させることもできますよ。

――今回のゲームプレイ映像では、ミッションに対して具体的なクエストマーカーが表示されておらず、HUDの表記を見る限りは「丹波地方の探索」というとてもざっくりとした指示から始まっていましたよね。今回のクエストの進め方はどのようになっているのでしょうか?

Karl Onnée:まず、基本的にはいわゆるクエストギバーや、特定の人物と話す必要があります。その後で、私たちが「ヘルパー」と呼んでいる人物たちがプレイヤーが見つけなければならないものや手がかりを教えてくれるので、そういった情報を元にして探索を進めていくことになりますね。基本的な考え方は、プレイヤー自身が世界を探索し、見つけたものをきっかけにして、さらに深く探索していくというものです。今回、私たちはプレイヤーに対して、「ただ、目的の場所に一直線に向かって、周りにあるものを見ることなく突き進んでしまう」ということを避けたいと考えていました。だから、向かうべき場所へと近づくにつれて、ヘルパーが「大丈夫ですよ、正しい方向に進んでいますよ」と教えてくれるようなつくりになっています。

また、本作には密偵というスパイネットワークのような機能が用意されています。それを活用することによってターゲットのおおよその位置を知ることができますし、忍である主人公自身が自分だけのネットワークを作り上げることもできますよ。

――今回のゲームプレイ映像のなかでも印象的だったのが、絵の具のように飛び散る血飛沫や、重要人物を暗殺した際に描写される鮮やかなフィニッシュ・カットでした。個人的にはまるで日本画などを見ているかのような印象を受けたのですが、このアートスタイルはどのように決められていったのでしょうか?

Karl Onnée:基本的に、私たちは暗殺が完了する最後の場面を際立たせるような瞬間を作りたいと思っています。あのような演出があることによって、「Wow moment」(わっと驚くような瞬間)が生まれますよね。これはある意味ではセレブレーションのようなもので、せっかくプレイヤーがターゲットを仕留めたのだから、なにかを成し遂げたような気分を味わえるようにしたかったんです。

鉄砲を打ったときに、わずかにスローモーションのようなエフェクトが入っているのも同じような理由からですね。ほんの少しだけで、もしかしたら気がつかないくらい細かい演出かもしれませんが、プレイヤーがなにかを成し遂げたときに、より力を感じられる、もっと続けたいと感じられるような瞬間を作りたいという考えが根底にはあります。

そのうえで、シネマティック・ディレクターは、特に墨絵における紙や墨汁の質感に関心を持っていましたね。そこで、墨の黒色と、紙のようなやや黄色がかった白色、それに血飛沫の赤色によって描かれる、あのようなスタイルが生まれたのではないでしょうか。

一方で私たちはゲームに「アサシン クリード」以外のスタイルが入りすぎることがないように気を付けていました。自由な表現が許されるのは主要なターゲットを暗殺するときに限られていて、その瞬間に日本らしさとその美学を注ぎ込むようにしたのです。

――最後に、近年の「アサシン クリード」と言えば、優れたアクセシビリティの取り組みでも知られていますが、『シャドウズ』ではこれまで以上に充実したアクセシビリティ機能を期待しても良いでしょうか?

Karl Onnée:もちろんですよ! 私たちのチーム、特にUI/UXを手掛けているメンバーは特にアクセシビリティに熱心に取り組んでいますからね。少なくとも、これまでの作品よりもさらにこの取り組みを押し進めていることは言えると思います。詳細については追って発表されるので、楽しみにしていてください(※)。

※『アサシン クリード シャドウズ』に実装されるアクセシビリティの一部
・ゲームプレイキャプション
・オーディオ ディスクリプション
・スクリーンナレーション
・字幕
・メニューチュートリアル
・HUDカスタマイズ
・コントロールカスタマイズ
・ハイコントラストモード

■インタビューを終えて

今回のインタビューで特に印象に残っていたのが、弥助のパワフルな動きについて「楽しいものが作りたかった」と話していた場面だ。歴史や文化に対してリスペクトを持ちながらも、ゲームとしての面白さをしっかりと追求する。思えば、今回の『シャドウズ』を手掛けるUbisoft Québecが初めて「アサシン クリード」の本編を手掛けたのは2015年の『アサシン クリード シンジケート』であり、双子の男女による主人公(シリーズ初の女性主人公でもある)を起用した同作から約10年を経て、その反省を本作に反映しようとしているようにも感じられる(さらに言えば、同社が初めて手掛けた「アサシン クリード」は『アサシン クリード IV:ブラック フラッグ』のDLCである「自由の叫び」であり、同作が奴隷として生まれたアドウェールを主人公として奴隷解放の戦いに挑む物語を描いたことを踏まえると、本作の設定はさらに興味深く感じられる)。

個人的に本作に特に期待しているのは、単純に日本が舞台というだけではなく、シリーズのなかでも特に挑戦的な作品を手掛けてきたUbisoft Québecが、冒頭に書いたような課題とあらためて対峙するという点であり、今回のハンズオフ・プレビューでは、その期待に対して想像以上の形で応えようとしていることを感じることができた。期待して発売を待ちたいと思う。

『アサシン クリード シャドウズ』は2024年11月15日、PC/PlayStation 5/Xbox Series X|Sなど向けに発売予定だ。

(取材・文=ノイ村)

© 株式会社blueprint