娘が「バイトリーダー」をしており、扶養を抜けないといけないそうです。学生の扶養は「103万円」と「130万円」どちらですか?

アルバイトの働く条件は全て雇用条件として決まっている

アルバイトと正社員は同じ職場で働いていても労働条件は異なります。「何曜日に何時間働くのか」「時給は何円か」などアルバイトとして働く条件を、契約(雇用契約)でしっかり定めなければなりません。

扶養内で働くアルバイトは正社員と異なり、短時間での勤務です。場合によっては、曜日や働く時間帯もばらばらであり、アルバイトごとに労働契約の内容が全く違うことも珍しくありません。

そのため、まずは雇用契約の内容を確認してみましょう。雇用契約の内容は、雇用契約書や労働条件通知書など、何らかの書面で提示されているはずです。

そこの記載に、扶養を超える時間や日数、給与などの条件で働くことが記載されていれば、強制的に扶養を抜けることになっても、何らおかしくありません。当初の合意によって定められた労働条件のとおりに、物事が進んでいるにすぎないからです。

突然バイトリーダーにさせられて、扶養を抜けるよう強制されたときは?

契約の内容と異なることをアルバイト先から突然要求された場合、それに合意しない限り、断ることができます。強制させることはできません。

もしバイトリーダーとなり、当初定められた時間や日数、仕事内容を超えて働くこと、挙句扶養から抜けることを強制させられているような場合は、全国の労働局や労働基準監督署などへ相談してみてください。

そうすることで、どうすべきか適切なアドバイスを受けることができるほか、場合によっては労働基準監督署から勤務先へ指導や調査が行われる可能性もあり、状況の是正が期待できます。

学生の扶養は103万円? 130万円?

学生が親の扶養内でアルバイトをしようと思ったら、年収が103万円を超えないようにしなければなりません。時折「130万円までなら扶養内で働ける」と思っている方もいますが、そうではありません。

「130万円」は親の扶養に入れる基準ではなく、学生本人が「勤労学生控除」を受けられる基準です。勤労学生控除とは、学生本人のアルバイト収入が130万円以下であれば、27万円分の控除を受けられる、というものです。

つまり、103万円を超えてしまうと、親の税金は安くならず、学生本人も課税されます。

バイトリーダーに抜擢されるほど頑張って働いていると、年収は意外とすぐに103万円に達してしまいます。年の後半に働けなくならないよう、毎月働いた時間を常に計算しておくことが大切でしょう。

まとめ

たとえバイトリーダーであったとしても、扶養から抜けるよう強制することはできないため、扶養に入りつづける必要があれば拒否することができます。

もし、子どもがバイトリーダーを理由に扶養を抜けることを強制されていたら、一度雇用契約の内容を確認し、必要に応じて労働基準監督署などへ相談してください。そうすることで、アルバイト先での問題を解決することができるでしょう。

出典

厚生労働省 確かめよう アルバイトの労働条件

執筆者:柘植輝
行政書士

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