「町田のロングスロー」について訊かれた福岡の長谷部監督が抜群の速さで切り返す。はぐらかすことなく発した言葉とは?

2024年6月22日、アウェーでFC町田ゼルビアと戦ったアビスパ福岡はスコアレスドローで勝点1を得た。その試合後、会見に対応した長谷部茂利は「無失点で試合を進めながらゲームを決められそうな場面も作りましたし、ゴールが決まっていれば100点満点の試合だったと思います」とコメント。しっかりと内容のある言葉でゲームを振り返ってくれた。

その言葉は聞きやすく、記者陣の質問にも丁寧かつしっかりとした口調で返答。長谷部監督の試合後会見に何度か出ているが、その度に思う。こうやって毅然な態度で対応する姿はまさにプロの指揮官、と。

そんな長谷部監督のスタンスが垣間見えたのは、ひとりの記者が以下の質問をした時だ。

「町田の選手がロングスローをする際に丁寧にボールを拭いていました。長谷部監督はそれについて何か思うことはありますか」

答を求められた長谷部監督は抜群の速さで切り返す。

「何とも思いません」

はぐらかすことなく、ダイレクトに回答する姿に痺れた。文字通り”素晴らしい切り返し”だったと、個人的には思った。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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