北村晴男氏 橋下徹氏に「実務をやってないから分かってない」「判決の読み方知らない」猛批判も「時代についてってない」カウンター

 北村晴男弁護士

 橋下徹元大阪府知事と北村晴男弁護士らが23日放送の日本テレビ「行列のできる相談所」に出演。舌戦を繰り広げた。

 8年ぶりに弁護士軍団が集結。令和の法律相談ランキングに答えた。冒頭から、北村氏が「(橋下氏は)だいたい間違ってる」といえば、橋下氏は「自分が正しいと思っている人ほど、間違ってる」と言い返し、フットボールアワー後藤輝基は「もうやってる」と呆れた。

 番組では、愛犬が交通事故で失った場合に、弁償のほかに、慰謝料はいくら取れるのかという17年前に扱った事案を、現在の観点から再び回答した。

 北村氏が17年前と同じ「20万円」と答えたのに対して、かつて「2万5000円」とした橋下氏は「当時より大幅アップ」とした。

 北村氏は「70万円」という判例があるものの「特異な例」として、現実的な数字を挙げたが、橋下氏は「北村さんは70万円を特異な例としたが、額で判例を見るんじゃないんです。裁判例の中身を見なきゃいけなくて、だいぶ変わってきました。ペットの存在が家族同様に変わってきて、いまの判決では、飼い主やペットの関係性を丁寧に書くようになった」と説明した。

 額を明示しないことをMCの東野幸治から尋ねられても「額は決められない。飼い主とペットの関係性だから、70万円よりもっと上を目指していきましょうと依頼人に言うんです」と話した。

 そこにかみついたのが北村氏で「彼は実務をやっていないんでよく分かってないんです」とバッサリ切り捨てた。

 「70万の判例というのは、通常より高い金額をどうしても裁判官が出したかった。本来なら類型化して判断しなきゃいけないところを、これだけこうだったと判決文に書いているだけ」とし、「判例の読み方を知らないんです」と哀れんだ。

 橋下氏は北村氏に対して「今の時代についていってないんです。始めから20万円に諦める必要はなくて、70でも70を超える額でも、依頼人が目指すなら、目指せばいい」と対抗。北村氏は「弁護士が目指すのは当たり前。どのくらい期待できるか、説明するのが弁護士なんです」と弁護士論を説くと、橋下氏は「だからねえ!これが弁護士のダメなところなんですよ。政治家っていうのはね…」と政治家論で打ち返した。

 「弁護士精神じゃ、これからの時代やっていけないんですよ」と熱弁する橋下氏に、東野は「弁護士を集めた番組なんですよ。政治家は呼んでない!」と声を張り上げ、叱りつけていた。

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