次世代エース松島輝空が世界ランク1位を追い詰めた激戦を水谷隼が厳しい目線でDEEP解説【卓球ジャパン!】

【見逃し配信】17歳・松島輝空 vs 世界ランク1位・王楚欽SP|https://youtu.be/uQoGPrsuxsw

6月15日放送の『卓球ジャパン!』は、日本の次世代エース、17歳の松島輝空と世界ランク1位の王楚欽の初対戦の様子をゲストの水谷隼とともにDEEPに解説した。

2人が激突したのは、WTTチャンピオンズ重慶2024の男子シングルス2回戦。

世界ランク35位の松島が、中国の至宝をフルゲームジュースまで追い詰め、あわや大金星という活躍だった。

そのポイントと打倒・中国のカギはどこにあるのか。

序盤からスーパープレーの応酬でゲームを取り合ったが、松島がゲームカウント1-2と後がなくなった。

第4ゲームは松島リードで終盤を迎え、10-9とゲームポイントを握る。次の1本、松島が出した順横回転サーブに対して王楚欽のフォアドライブが台をかすめて入って10-10となった。

並の解説者なら「運が悪かった」で済ますところだが、水谷隼は松島のサーブが長くなって王楚欽にドライブレシーブを許してしまった点を指摘。

「サーブが勝負所で(台から)出ちゃうっていうのは、必ずどこかで"この1本で負けた"っていうのが出てきます。短く出したいなら絶対に短く出さなければいけません」と厳しい。

台から出たといっても、王楚欽がラケットが台に当たるギリギリで打球するほどわずかなものだったが、水谷はそれも承知の上だ。

「あれは王楚欽じゃなかったら絶対打たれてないとは思います。ただ、本当にトップ選手って見逃さずに打ってくるんです」(水谷)

紙一重の勝負の世界を知る水谷ならではの鋭利な解説だ。中国を破るためには、こうした厳しい考え方が必要なのだろう。

このプレーで10-10と追いつかれた松島だったが、そこから得意のチキータやバックハンドを連発して最後は13-11と振り切った。

世界ランク1位に対して完全に互角だ。

運命の最終ゲーム、初球で松島が出したサーブにMC平野早矢香が驚いた。

この試合で初めて巻き込みサーブを出して意表を突き、甘いレシーブを誘って3球目ドライブを決めたのだ。

「いつも出している順回転サーブの方が絶対に質が高いはずなのに、あえて意表を突く形がすごいなと思いました」(平野)

「中国選手に勝つためにはこういうことをやってかなきゃいけない」と水谷も感心した。

しかし問題は次のサーブだった。不意を突いた後のサーブは難しいが、松島は同じ巻き込みサーブを今度はコースを変えて王楚欽のバックに。

しかし王楚欽はこれを強烈なバックドライブで抜き去った。松島としては、あえて同じサーブでコースを変える工夫をしたわけだが、水谷はこれを「失敗」と断じる。

あまりにも厳しい水谷に対して「でも結果ですよねそれは」「何が正解だったんですかね」と思わずフォローに回るMC武井壮だったが、水谷は態度を変えない。

「何が正しいかは分からないですが、結果的に取られたので、今のサーブは失敗だったと思います。すみません、この世界は結果がすべてですから」(水谷)

結果だけで評価される厳しさ、理不尽さを身をもって知る水谷だからこその台詞だ。

その後も一進一退のプレーとなり、勝負を分けたのは、松島10-9と、あと1点で大金星という場面だった。

王楚欽のサーブからバック対バックのラリーが4往復続き、5球目に王楚欽が松島のミドルにわずかに高く送ったボールを松島がバックハンドでわずかにオーバーミスをして10-10。

このチャンスを逃したことで最終的に勝利を逃した。

「うわー」「悔しいー」と思わず声を上げる3人。

最後の松島のバックハンドについて「勝ちを意識して決めに行こうとして体がちょっと浮いて手だけで打っちゃったのが、我慢が必要だったところ」と水谷。

中国の背中に触れられるところまで来ている日本の卓球。その差はほんのわずかだ。その差をどう埋めるのか見守って行きたい。

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