古谷徹『コナン』降板で広がる波紋…声優引退なら『ガンダム』などにも影響

「不倫・DV・中絶」の女性トラブルを報じられていた人気声優の古谷徹が22日、アニメ『名探偵コナン』の安室透役と『ONE PIECE』のサボ役を降板すると発表。同時にメインの発信の場となっていた公式SNSのアカウントを削除しており、事実上の「声優引退」となるのではと騒がれている。

古谷は5月に「週刊文春」(文藝春秋)で、女性ファンとの4年半にわたる不倫関係を報じられた。単なる不倫にとどまらず、女性に手を上げたり、妊娠した時に中絶を迫ったりといったショッキングな内容で、古谷は自身のX(旧Twitter)で報道を事実と認め「私の残りの人生をかけて誠心誠意償っていく所存です。どんな制裁も受ける覚悟でおります。誠に申し訳ございませんでした」と謝罪していた。

騒動を受けて、所属事務所の青二プロダクションは22日に「この度弊社は所属俳優、古谷徹に関する一連の不祥事に対し古谷本人と協議を重ねてまいりました」「その結論として直接的に著しく作品及びキャラクターのイメージを傷つけてしまった『名探偵コナン 安室透役』『ONE PIECE サボ役』の2作品につきましては、降板のお願いをし、受け入れていただく運びとなりましたことをご報告いたします」と発表。

同時に、古谷も「作品に関わられた皆様、応援をしてくださっている多くのファンの皆様、作品、キャラクターに対して、今の自分に唯一できる償いの形として、熟考の末、断腸の思いで、安室透役とサボ役を降板することにいたしました」とのコメントを出した。

これを受けて、ファンは騒然となった。とりわけ衝撃が大きかったのは、ドル箱となった「コナン映画」の人気をけん引していた安室透役の降板だ。ネット上では「安室さんの声は古谷さんじゃないと意味がないのに」「不倫を擁護する気はないけど、別に声優の私生活とキャラのイメージなんて関係ない」といった声がある一方、「年齢的にも安室さんの声が厳しくなっていたから降板でいいと思う」「報道の内容がエグすぎて、仕方ないとしか言いようがない」といった意見もあり、賛否両論となっているようだ。

安室透は古谷の代表作の一つである『機動戦士ガンダム』のアムロ・レイに着想を得て誕生したキャラクターで、原作者の希望で古谷がキャスティングされたといわれる。それだけに「古谷徹でなければ成立しない」という部分があり、困惑が広がっているようだ。

公式Xまで削除したことで実質的な「声優引退」となるのではと危惧され、もしそうなれば『名探偵コナン』や『ONE PIECE』だけでなく、現在もゲームやCMなどで新録が繰り返されている『機動戦士ガンダム』など多方面に影響が出てくる。

さらに騒動は別の声優にも飛び火した。同じく過去に「文春」で不倫スキャンダルを報じられた櫻井孝宏について、「古谷徹はコナンやワンピースを降板したのに、なぜ櫻井孝宏は鬼滅の刃や呪術廻戦を降板しないのか」といった声がSNS上で湧き起こっているのだ。

櫻井は2022年、既婚であることを隠して出演番組の放送作家だった女性と約10年にわたって不倫し、ほかにも複数の女性と関係を持っていたと報じられた。報道後、櫻井は『劇場版 モノノ怪』の主演などを降板したものの、『鬼滅の刃』の冨岡義勇役や『呪術廻戦』の夏油傑役といったビッグタイトルの役は継続。人気男性声優が集結する『おそ松さん』の第4期シリーズでも続投が決定している。

ここ最近で同じく不倫を報じられた声優としては鈴木達央もいるが、鈴木の場合は代表作の一つだった『東京リベンジャーズ』のドラケン(龍宮寺堅)役を降板するなどしているため、一定の制裁を受けたとみられている模様。そのため、古谷の降板騒動をきっかけとして、櫻井に「なぜ許されているのか」という批判が集中しているようだ。

古谷は代表作があまりにも多く、もし声優界から消えることになれば、その影響は計り知れない。キャスティングの変更は、ドル箱シリーズとなっていた「コナン映画」の興行収入を左右する恐れもある。だが、古谷は若々しい見た目ながら現在70歳と高齢であり、このまま引退となる可能性は拭えない状況といえそうだ。

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