「景色も何もない。真っ白です」Juju、SF初ウエットレースで視界に驚く/第3戦SUGO

 全日本スーパーフォーミュラ選手権に参戦を開始し3レース目を迎えたJujuこと野田樹潤。6月23日にスポーツランドSUGOで行われた決勝レースは、悪天候とクラッシュの影響により12周時点の順位で終了となり、Jujuはスターティンググリッドから2ポジションアップ(上位グリッドの1台が出走取り消し、さらに1台がクラッシュ)の18位でレースを終えた。

■「Jujuが消えた」

 レース後のミックスゾーンで、Jujuは自身にとってスーパーフォーミュラでは初のウエットレースとなった一日を振り返った。

「朝から雨で、フリープラクティスも誰がクラッシュしてもおかしくない状態でした。初めてのスーパーフォーミュラのウエットレースは、ハードだなと思いましたね」

「走れば走るだけ誰かがクラッシュしていくというような状況だったので……帰ってきて岡田(秀樹/チームアドバイザー)さんが言っていたのは『ロシアン・ルーレットみたいだね』と。そんななか、TGMは2台とも無事に帰ってこられてよかったですし、クラッシュはありましたが、みんなが大きな怪我もなく終われたのはよかったです」

 予選後のコメントにもあったが、今回の土曜日は初めて「トラブルフリー」で走行することができていた。「正直、いい流れで来ていただけに、もっとしっかり走りたかったという気持ちはもちろんありますけど、朝から雨が降り続いているなかで、現地に来て何時間も待って応援してくれた方たちに向けて、少しでもレースができたということは、よかったなと思います」。

2024スーパーフォーミュラ第3戦SUGO Juju(TGM Grand Prix)

 決勝日の雨は数日前から予報されていたため、過去SUGOで雨が降った2021年(予選日)のオンボード映像を事前に確認。「マシンもタイヤも変わっていますし、同じコンディションではないので参考程度」ではあったものの、ウエットの走行をイメージして臨んだという。それだけに、「しっかり雨も走りたかった」とJuju。

 もちろん、他カテゴリーではウエットレースの経験はあるものの、スーパーフォーミュラのマシンが跳ね上げる水煙の量は別次元だった模様。セーフティカー明けのリスタート時、コクピットからの“景色”について問われると、「どんな景色も何もないですよ。真っ白です」とJujuは笑った。

「(前車の)真後ろについたらそれは見えないだろう、という気持ちはあったのですが、真後ろについていなくても、なんならそのストレート上にクルマがいなかったとしても、残っている水しぶきでまったく前が見えない状況なので……『このくらいのカテゴリーになってくると、こんなにも違うんだな』って感じましたね」

 その状態で、しかも前に多くのマシンがいる状況での1コーナーへの進入は極めて困難。「情報といったら横を見るしかなくて、それは慣れているサーキット、走り込んでいるサーキットだったらある程度分かるのですが、SUGOはあまり慣れていないので、そういった面で何も情報がない、っていう。帰ってきてノブさん(松下信治/Jujuの後ろからスタート)に聞いたら『Jujuが消えた』って(笑)」

 前述のとおり、SUGOの予選日は順調に走行できていただけに、「(次戦の)富士もこの流れのままいきたい」とポジティブに語ったJuju。その前には富士でのインシーズンテストも控えており、セットアップ面でも、ドライビングの面でもトライをしつつ、走り込んでいきたいという。

水煙のなか、SUGOの1コーナーにアプローチするJuju(TGM Grand Prix)

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