都知事選のポスターがビリビリに 地元住民は怒り「やった気持ちは分かるよね。ふざけてる」

NHK党のポスターが無残に破かれた【写真:ENCOUNT編集部】

“破れたポスター”ひと目見ようと見学者が相次ぐ事態に

東京都知事選(7月7日、投開票)で「NHKから国民を守る党」のポスター19枚が何者かによって破かれていることが24日、分かった。同選挙の混乱ぶりを改めて露呈する事態に、ポスターが設置された新宿・歌舞伎町の近隣住民からは怒りの声が上がっている。

NHK党のポスターが大量に破かれていたのは、歌舞伎町の大久保公園に設置されている掲示板だった。同日現場を訪れると、19枚のポスターがびりびりに割かれ、無残な姿になっていた。

破られていたのは、「日本で1番SNSでバズっているインフルエンサー&歌舞伎町ホスト」という本田裕典氏のポスターで、他の候補者のポスターに傷はなかった。掲示板には、「掲示場を壊したり、ポスターを破ったりすると罰せられます」と明記されており、公職選挙法違反の可能性が指摘されている。なお、本田氏本人は都知事選に出馬していない。

同掲示版は、新宿警察署歌舞伎町交番から200メートルほど裏手の場所にあり、都立大久保病院入口の正面に位置している。ニュース報道を受け、この日はカメラを構える通行人が続出。移動中の宅配業者がスピードを緩めて撮影したり、2人乗りのバイクで乗りつけ撮影する姿もあった。また、テレビ局や一般紙、通信社などが取材に訪れていたが、目と鼻の先の病院の敷地内からカメラを構える報道陣に、警備員が「道から出てください」と注意を繰り返すなど対応に追われていた。

こうした事態に、近隣住民からはあきれた声が上がる。

「歌舞伎町のカラオケに行くから、いつもここを通っている。あ、これかと思って」と話した高齢男性は、立ち止まってポスターを凝視。「やった気持ちは分かるよね。ふざけてる」と語気を強めた。ポスターを破る行為より、掲示板をジャックする行為に怒りをにじませていた。

都知事選のポスターを巡っては、NHK党が設置した寄付枠を活用し、特定の人物が掲示板を“占拠”する事態が発生。キックボクサーのぱんちゃん璃奈は、「今回東京都内のポスター掲示板ジャックすることに成功しました!」と笑顔で報告し、批判が殺到していた。

また、アイドルの桜井MIUをモデルとするほぼ全裸に近いポスターが掲示されたことも物議を醸し、警視庁が警告。ポスター回収となった桜井はXに「選挙用ポスターに、私の露出の高い写真を用いたことについて、猛省しております」とつづり、謝罪している。

この日、通行人の男性からは「裸の写真はないの?」と記者に質問が向けられた。都知事選のポスターが本来の意味を見失い、好奇の対象となって、あらぬ方向に向かっていることを印象づけた。

東京の未来を決める選挙が“日本の恥”をさらす舞台になり、ネット上では「本当情けないし恥ずかしい」「終わってるわ日本の未来…」「もう選挙ポスター掲示板自体廃止でいい」と失望の声が相次いでいる。ENCOUNT編集部/クロスメディアチーム

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