宮島高級宿泊施設計画 反対住民に十分な説明を 廿日市市議会が松本市長に申し入れ

廿日市市が宮島に誘致しようとしている高級宿泊施設の計画を巡り、市議会が反対住民に十分な説明をするよう松本市長に申し入れをしました。

午後、廿日市市議会の全員協議会で市が高級宿泊施設の計画の概要などを説明しました。

【市議会議員は】
「(高級宿泊施設)計画をゼロベースにして初めからやっていくんですかと聞いているんですよ」

【廿日市市産業部・木下 英治 部長】
「(高級宿泊施設の誘致)これは市の案としては1つあると、一緒にそれをのせてですね。包ヶ浦自然公園のあり方について議論をしていきたいと」

市は宮島の東側にある包ヶ浦自然公園に1室1泊10万円以上の高級宿泊施設を誘致し、主に海外から観光客を呼び込む構想を掲げています。
一方で計画に反対する住民グループが立ち上がり、「自然破壊を招くのでは」「公園が旅行者だけのものになる」などとして計画の白紙撤回を求め1万3800人分の署名を集めました。

【宮島包ヶ浦自然公園を守る会・佐々木 健一 共同代表】
「市はホテル誘致という(計画の)入り口を変えておらず、そこに我々の意見を組み足して、あくまでもホテル誘致にすることを最終的結論にして、妥結点を探ろうとしているからです」

先週、住民グループも議員に対し意見を述べていて、新田 茂美 議長から、松本 太郎 市長に住民との十分な議論を促す「申し入れ書」が手渡されました。

【廿日市市・松本 太郎 市長】
「100%賛成というのはなかなかいきませんが、私ども行政としては、できるだけ多くの皆さんに賛同いただける形で進めていきたいと思っています」

市と住民は互いに意見を出し合う協議会を先月から継続的に開いていて、来月19日、現地を視察することになっています。

<記者の目>
取材担当の五十川ディレクターによりますと、「反対の住民グループは当初から高級宿泊施設の一択で、市が公園の利活用策が進めることに違和感を持っている。市は住民の声を反映した修正案を出すなど歩み寄りを見せるが、このままでは議論の進展が見えない」としています。

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