カンニング竹山、「アッコにおまかせ!」で小池百合子氏「8年間の検証が必要」発言、3年前には都から抗議文も

6月23日、お笑いタレントのカンニング竹山が、『アッコにおまかせ!』(TBS系)に生出演。東京都知事選(7月7日投開票)に、3選を目指して立候補した現職の小池百合子氏について率直な意見を述べ、「X」で称賛する声が上がっている。

番組ではまず、小池氏が掲げた公約「東京大改革3.0」を詳報。

MCの和田アキ子から、「政治の問題は竹山が詳しいんじゃないの?」と話を振られると、共演した出川哲朗は「僕らはたいしたコメントはできませんが、竹山は政治を語らせたら、飲み屋でもするぐらいだから」と紹介。

竹山は「忘れたんですか、3年前に小池さん語って大変なことになったことを」と切り出したうえで、こう持論を述べた。

「要は8年間、都知事をやられていたわけです。8年間の総括がおこなわれないまま、次の公約、となっているから、8年前の『7つのゼロ』はどこまでおこなわれたんだというのと、そこから新たに公約をやりますと言っても、『前のヤツはやってきたの?』、ということを考えないといけない。あと、東京都は財政がすごくあるから」

ここで和田が「でも、財政はあるけど、小池都知事は47都道府県のなかでは、いちばん安い給料だと聞きましたけど」と口をはさむと、竹山はこう説明した。

「給料は半額にしてますけど、退職金の問題とかあるから、そのまま真に受けていいかもわれわれは精査して考えないといけない」

番組では続けて、蓮舫氏が掲げた公約「7つの約束」について紹介。

すると、和田は「言葉は悪いですけど、いい風に言うのはなんでも言えますよね。非難しているわけではないですよ」とコメント。

さらに、6月18日に小池氏がオンラインで公約を発表し、記者からの質問を5人しか受け付けなかったことに、和田は、「いろんな理由で質問されたくないというのもあるでしょうし、いまこの時代に警備上の問題とかもあるかもわからない」としたうえで、「素人目でいくと、小池さん、8年間やってらしたので、『ドッシリ』している感じがして、蓮舫さん、すごく頑張りがすごいかなってのがあるんですけど」とし、竹山に感想を求めた。

すると竹山は、こう持論を展開した。

「一応、バランスを取るために言っとくと、都政のことって、意外と報道も自分で情報をもらいに行かないとないから、都政でこの8年間、なにがおこなわれていたか、よく分かっていない。

小池都知事の答弁拒否という問題があります。(都議会で)70数パーセント答弁拒否してきた。あと、マスコミの取材の仕方。リモートで記者クラブの人だけ(質問で)あててきて、フリーの人が質問したくてもいっさいあてなかったり、途中で止めて帰るとか。

あと、経歴の疑惑があって、(小池氏は)『あるからしょうがないのよ』というけど、そうじゃなくて、その過程をぶつけて取材したいという人もいっぱいいるのに、そこはいっさい何も言わない。財政の問題も、8年前、『自民党がブラックボックスだ』と言っていたのに、いま、都政がブラックボックスになってしまって、なにがどうなっているかわからない。そこを取材したくても取材させてくれない。これをおかしいという人もたくさんいます。一方で、蓮舫さんも具体的に見えない部分もあって、非常に悩む選挙だと思います。一人一人がなにをどう感じて、未来にいれるか大変な選挙だと思います」

竹山の持論に和田は、「きみ、立候補したら?」と言うと、竹山は「いやいや、立候補とは別の話で、ちょっといま、小池さんの方にばかり、(話が)なびいたから、気持ちわりいなと言ってる人もいると思うんで」と語った。

番組では、19日に日本記者クラブ主催で開催された共同記者会見も詳報。明治神宮外苑の再開発の問題を取り上げた。

共同記者会見で蓮舫氏が、「神宮外苑の再開発はいったん立ち止まる。そのことを私は都知事選の争点にしています」と話したのに対し、小池氏は、「争点にはなりません。なぜなら、いま立ち止まっているからです。事業者のみなさまに樹木の保全ということで投げかけて立ち止まっているところ。よって争点にはならない」と語ったことを紹介した。

この点について、和田から、「にわか評論家、竹山さん、いかがですか?」と問われた竹山はこう持論を述べた。

「神宮外苑の計画がもちあがったとき、初めから、銀杏並木は切らない、ということでずっと進んでいます。実際、いま計画は止まっています。工事は『GO』になったけど、なぜか止まった。それを(今回の会見で)、小池都知事が『樹木の保全のため』と言ったから、聞いた話とは違うなというのはありました。あとは、これをどうするか。神宮球場は老朽化しているから、違う形では建て替えないといけないとは思うんです。その場にするのか、変えるのか。新しい形がいるんじゃないですか。実際、反対している人もいっぱいいますから」

2021年3月28日、同番組の生放送で竹山は、小池都知事らが出演するYouTubeの広報動画について、「全部じゃないけど、そのうちの1本に4.7億円がかかっている。血税でできているんですよ」などと発言した。だが、その数分後、竹山は事実誤認に気づき、「4.7億円は動画制作費ではなく、広告全体の経費でした」などと番組内で訂正し、謝罪していた。

だが、都は放送の翌日に、TBSと竹山の所属事務所「サンミュージック」に発言の訂正を求める抗議文を送付。一連の経緯を同年4月1日に『日刊ゲンダイ』が報じ、「小池都知事が竹山に抗議文」と騒ぎが大きくなった経緯がある。

3年前に抗議文が送られた問題がありながら、今回、竹山がハッキリと持論を述べたことに、「X」では称賛する声が多く上がっている。

《3年前にもカンニング竹山は小池百合子の批判をし、東京都から抗議文を送り付けられた。その後、「TV出演が少し減ったように感じた。気のせいかもしれないが」と本人は語っている。それでもなお、同じ(小池援護の)番組でちゃんと批判してるのは、ちょっと見直した》

《なかなか踏み込んだ発信を公共の電波に乗せて言えた。勇気ある行動だと思う。なかなか言えるものではないですよね》

《小池ヨイショの流れで番組進行する中、「議会での答弁拒否」や「会見でフリー記者の排除」や「学歴詐称の件で取材に応じない」など暴露したカンニング竹山さんグッジョブ 公平性を保つ観点からも良き》

竹山は2021年4月7日、『AERA dot.』の連載『言わせてもらいますけどね! 』のなかで、謝罪はしない理由を明かしたうえで、こう記していた。

《これをきっかけに、都のお金の使い道、都民の税金の使い道を気にかけてくれたらと思います。国政と違って都政なんて、そんなに興味ないかもしれない。今回のことで、都のお金に気付いてくれる人がいたらいいと思っている。広告費を使うこと自体は何も悪いとは思わないが、何度も言うけど困っている人が今いるじゃん!》

竹山の姿勢は、なにも変わっていないということだろう。

© 株式会社光文社