28歳で事務職、正社員で「手取り13万円」です。勤続10年でこの金額は少ないですか? 一応「簿記2級」は持っていますが、東京ならもう少し年収を上げられるでしょうか…?

手取り13万円の月収・年収はいくら?

手取り13万円の額面月収は、約15万円~16万円程度であると推測されます。そこから計算すると、年収は180万円~192万円(15~16万円×12ヶ月)ほど、仮にボーナスが「基本給1ヶ月分×年2回」支給されるとすると、単純計算で約30万円前後ですので、ボーナスありの想定年収は210万円~222万円となります。

20代における事務職の平均年収は約313万円

2023年に求人・転職情報サイト「doda」が公開した20代の調査結果は、以下のとおりです。

__・事務職の平均年収は313万円
・全職種における平均年収は352万円(男性377万円・女性329万円)__

同調査では、事務職の平均年収は全職種と比べるとやや低めという結果でした。また、20代の事務職の平均年収は313万円ですので、本事例のように勤続10年の正社員で手取り13万円は平均を大きく下回っている状態です。

事務職で昇給するための方法

事務職で昇給するための方法はいくつかありますが、以下で見ていきましょう。

社内で異動・もしくは転勤を考える

まずは、いまの現状を会社に相談や交渉してみましょう。会社によっては昇給が見込めそうな部署への異動もしくは賃金アップなど、何らかの考慮をしてくれるかもしれません。

もし難しいようであれば、転勤も視野に考える必要があります。相談は勇気がいることですが、現状を変えるためにもまずは行動を起こすことが大切です。

給与の高い地域に引っ越す

給与の高い地域に引っ越すのも一つです。東京労働局によると、2024年5月末時点における東京都の最低賃金は1113円です。

__・時給1113円(東京都)
・1日8時間(フルタイム)
・月22日間(週休2日の場合)__

1日あたりの賃金は1113円×8時間=8904円。仮に、月22日最低賃金で働いた場合の月収は約19万5888円です。東京などは地方と比べて家賃など物価も高いものの、待遇の良い会社も見つけやすいといえます。給与の高い地域への引っ越しも検討してみましょう。

さらに専門性を高める

いまよりもさらに専門性を高めることで、自分自身の市場価値を高められます。市場価値を高められれば、転職活動の際に好待遇の会社を見つけやすくなり有利です。

例えば、簿記の資格を活かした経理職や、即戦力となるような資格を取得するなど専門性を高めましょう。

まとめ

昨今の物価上昇や円安などを考えると「手取り13万円」のままだと生活は苦しくなる一方かもしれません。今回紹介した方法を参考に、働き方の変更も視野に、長期的な目線で転職先を探してみてはいかがでしょうか。

出典

doda(デューダ)年齢・年代別に見る日本の平均年収(平均年収ランキング最新版)
厚生労働省 東京労働局 令和5年度9月1日「東京都最低賃金(地域別最低賃金)の改正

執筆者:鳥谷威
1級ファイナンシャル・プランニング技能士

© 株式会社ブレイク・フィールド社