米FRB、MBS売却も選択肢にすべき=クリーブランド連銀総裁

Michael S. Derby

[24日 ロイター] - 米クリーブランド地区連銀のメスター総裁は、米連邦準備理事会(FRB)のバランスシート縮小について、住宅ローン担保証券(MBS)の積極的な売却に柔軟であるべきとの見解を示した。

今月末で退任する同氏はロイターとのインタビューで、FRBが保有債券を国債のみに戻すという目標を達成するには「どこかの時点で」MBSを積極的に売却する必要があるかもしれないと語った。

「直ちに売却すべきとは考えていないが、いずれは売却したいと思うかもしれない」と述べた。その上でFRBが一部のMBSについて損失を被る恐れがあることなどを踏まえると、売却の可能性を国民に説明しておくことが重要になるとの認識を示した。

FRBは2022年6月以降、満期を迎えた一部の債券について再投資を停止したため、債券保有額はピーク時の9兆ドルから現在は7兆3000億ドルに縮小した。

ただ大半は国債の減少によるもので、MBSの売却は非常に困難な状況に直面している。住宅市場の大幅な減速により住宅ローンの借り換えや住宅の購入が低迷し、MBSの償還に時間がかかるようになったことが背景にある。

バランスシート上の証券を全て国債にするという目標は、現在の傾向が続けばMBSを積極的に売却しない限り実現は困難になる。しかし過去2回の量的引き締めでは債券の積極的な売却を控えており、また実施した場合に市場がどのように反応するかは不明だ。

メスター氏は金利の見通しについて、経済が予想通りに推移すれば政策金利よりを正常な水準に戻すのは合理的と指摘。金融緩和が正当化されるという確信を得るには「あと数カ月のデータを見たい」と語った。金融政策は経済の動向に対処するのに適切な状態にあるとの見方を示した。

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