「やっぱり迷惑の塊」大阪万博「リング」閉幕後の再利用わずか4分の1報道に「予想どおり」府民の批判殺到

ライトアップされた大阪万博「木造リング」(写真・時事通信)

6月21日、自見英子(はなこ)万博担当相は記者会見で、アルゼンチンと、太平洋の島しょ国・ニウエが国内事情を理由に、2025年大阪・関西万博への参加を見送ると発表。一方、カリブ海の島しょ国・バルバドスと、西アフリカのシエラレオネの2カ国が新たに参加するという。

アルゼンチンは、自前のパビリオンを設計・建設する「タイプA」形式の出展を予定していた。

「タイプA」は「万博の華」ともいわれる。当初は60カ国が予定していたが、資材価格高騰の影響などで、52カ国に。そのうち11カ国の建設業者が決まっていないという。

一方で、「万博のシンボル」として建設が進む環状の大屋根「リング」は、工事が順調に進んでいる。6月12日には、報道関係者向けに撮影会が開催され、約9割まで組みあがった様子が公開された。

建設費は約344億円。リングで使用する木材は約2万立法mで、幅30m、高さ12~20m。会場中心部を取り囲み、1周2kmで来場者は屋根の上と下を回遊できる。完成すれば「世界最大級の木造建築物」となることが売りだ。

万博閉幕後は撤去する予定だったが、344億円の建設費に批判があがると、大阪府の吉村洋文知事は一部保存に言及。

4月21日、『日曜報道 THE PRIME』(フジテレビ系)で吉村氏は、リングの一部を残すのか問われ、「全部は難しいと思うので、リユースはしていくが、捨てるのではない。世界最大級の木造建築物で、こんなものを日本でつくれるのかという圧倒的な存在感がある。来場される方は残すべきだとなると思う」としたうえで、「課題はあると思うが、民間の提案が重要になってくる。一部を残してレガシー(遺産)にしていくほうがいいのではないかと、いまは思っている」と主張していた。

日本国際博覧会協会(万博協会)も、2月に「リング」の利活用案を公募していた。

だが、政府は6月18日の閣議で、万博閉幕後のリングの利活用などに必要な費用は「2350億円の会場建設費の範囲内で確保する」との答弁書を決定。さらに6月21日、読売新聞が報じたところによると、公募で実現の可能性があり、確実に引き取りが見込めると判断した量は、全体の4分の1以下の約6000立方m。入札額については「ほぼ無料」との回答が多かったという。

吉村知事が、「リング」について一部をレガシーとして残す可能性を主張していたものの、閉幕後の再利用はわずか4分の1となる見込みに、Xでは批判的な声が殺到している。

《各地から木材をかき集めて、再利用だとかSDGsだとか言って、予想どおりの体たらく そもそも、埋立地で風雨にさらされる木材が、閉幕後に再利用できる割合は果たして???》

《万博はやっぱり迷惑の塊だな》

《一事が万事これ。はじめの想定が甘い。騒がれてから慌てて訂正。結果府民に大迷惑》

6月24日には、万博協会が、小型犬のみ、同伴入場を認める方向で検討していることが報道された。ペット同伴入場が実現すれば「万博史上初」とのことだが、万博のレガシーは、なんともショボくなりそうだ。

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