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将棋の叡王戦で敗れ、8大タイトルの独占から陥落した藤井聡太七冠。叡王戦の3日前に棋聖戦が行われた新潟市の旅館では、対局のあと“ある変化”を感じていたといいます。
6月22日の土曜日。
新潟市西区の将棋教室では小学生たちが真剣な表情で“詰将棋”を行っていました。
話題はやっぱり…
「藤井聡太は詰将棋をずっと毎日やってました」
「藤井聡太負けましたよ」
「何冠になった?」
「七冠」
6月20日に行われた将棋の叡王戦第5局。藤井聡太叡王は挑戦者の伊藤匠七段に敗れ、タイトルを失いました。これにより全てのタイトルを独占していた八冠から七冠に陥落しました。
新潟市西蒲区の旅館「高島屋」です。
〈高島屋 高島基子 女将〉
「こちらからお庭が見えるような位置で座っていただいてました。あの日は八冠でございました。やっぱり難しいことなんですね、八冠というのは」
叡王戦の3日前、まだ八冠だった時に行われた棋聖戦の第2局。藤井棋聖は山崎隆之八段との対局を制し、史上最年少での「永世称号」に王手をかけました。
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おととしから棋聖戦の会場となっている高島屋。
藤井棋聖は毎回、サインを残していくといいます。
〈高島屋 高島基子 女将〉
「詰将棋が書いてある、7手詰め」
おととしと去年のサインには“詰将棋”の問題が書かれています。しかし、ことしは、“ある変化”が…。
サインには“大志”という言葉のみ。詰将棋はありません。
〈高島屋 高島基子 女将〉
「本当は詰将棋、進化したものを欲しかったなと思ったのですが、すぐもう叡王戦があったので、(山梨県まで)飛んでいかなきゃいけなかった。お相手、伊藤さまのことを考えていらっしゃたのかもしれない」
タイトルの防衛をかけて対局が相次ぐ8冠。
その多忙さが垣間見えたといいます。
〈高島屋 高島基子 女将〉
「スケジュール感も含めてこんなに大変なことなんだなと身をもってみさせてもらった。藤井先生は楽しく将棋をしたい、 “強い人出てこい”という感じで将棋をいつもなさっているので、 それに関していえば非常に楽しい将棋になったのではないか」
一方、タイトル戦と言えば“勝負飯”や“おやつ”が話題となりますが…
〈酒井織物 酒井正文さん〉
「こちらは藤井聡太さんが前回の棋聖戦でお召しになられた着物と同じものになります」
永世棋聖まであと1勝と王手をかけたこの対局で藤井棋聖が勝負服に選らんだ着物。それが南魚沼市が誇る伝統織物「本塩沢」でした。
その織物を手掛けるのが1933年創業の「酒井織物」です。
藤井棋聖が対局で着用した「本塩沢」は絹100パーセントの織物で職人が糸1本から丹精込めて作り上げています。
〈酒井織物 酒井正文さん〉
「こちらはシボによって肌触りがいい、さらりと着られるものなので将棋を指すときにも 支障にならないんじゃないか」
藤井七冠はおととしの棋聖戦第3局でも「本塩沢」を着用して勝利。
その勢いのまま「棋聖」のタイトル防衛につなげました。
〈酒井織物 酒井正文さん〉
「これからも活躍をされて大事な対局ではこちらの品物を着ていただければありがたいなと思っております」
ライバルの誕生でますます盛り上がりをみせる将棋界。
今後 どんな熱い戦いを見せてくれるのでしょうか…。