梅雨なのに真夏日、熱中症予備軍「隠れ脱水」に注意

梅雨がはじまり、蒸し暑さが続くこの時期。特に注意が必要となってくるのが「熱中症」。愛知県蒲郡市で実施されているユニークな熱中症対策や、医師が懸念する“隠れ脱水”について取材しました。

“クーリングシェルター”で熱中症対策

6月24日、今年一番の暑さとなる最高気温30.3℃を記録した愛知県蒲郡市。湿度も高く、ジメジメとした“真夏日”となりました。この暑さで心配なのが、「熱中症」。そんななか、蒲郡市では6月から“ある取り組み”がスタートしました。

それは、市役所などを「クーリングシェルター」として開放するというもの。クーリングシェルターとは、熱中症の被害を防ぐため、冷房の効いた建物を、暑さがしのげる場所として提供する取り組み。

『蒲郡市役所』の森謙太さんは、「熱中症の対策なので、例えば、自宅にエアコンがない方ですとか、外歩いてちょっと体調が悪いな、涼んでいきたいなという方がいたら、気軽に寄っていただきたいです」と話します。

さらに市役所の一階には、熱中症対策に有効な「ウォーターサーバー」も設置。ウォーターサーバーは誰でも利用することができ、自由に水を飲むことができます。

梅雨の時期は「隠れ脱水」に注意

医師は気温が急激に上がり、湿度も高いと、発汗調節が上手くいかず、“ある状況”に陥る可能性があるといいます。それが、この時期にとくに注意が必要となる「隠れ脱水」という症状。

『大清水クリニック』の柴田真一医師によると、「隠れ脱水」とは、暑さで体の水分は減っているのに、湿度が高いため気づきにくい状態のこと。脱水症の一歩手前の症状で“熱中症予備軍”とも呼ばれており、重症化することもあるそう。

主な症状として、「口が渇く」、「手足が冷える」、「舌がいつもより真っ赤、表面に亀裂」などが挙げられます。

柴田医師は、「(隠れ脱水は)放置しておくと、どんどん体から水分が逃げていって、体温が上がって、本当の脱水症になって救急状態になる可能性もある」と、症状の危険性を呼びかけます。

こまめな“水分補給”が必要

症状だけでは“脱水症”と気付きにくいことから、「隠れ脱水」と呼ばれるこの症状。柴田医師は、3つのセルフチェック方法を挙げました。

1つ目は親指の爪などを押し、爪の色が白からピンクに戻るまでに3秒以上かかるかどうか、2つ目は、手の甲や皮を引っ張ったとき、戻りにくいか。そして3つ目として、特に分かりやすいのがトイレの回数が減る、尿の色が濃いこと。

日頃からできる「隠れ脱水」の対策としては、こまめな水分補給が重要。入浴前後、排せつ後など水分が失われた時に注意が必要です。また起床後に、“コップ一杯の水を飲む”など水分補給を習慣づけることも効果的だということです。

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