「食品ロス削減」8年前倒しで目標達成も…家庭の食品ロスほぼ減らず 無駄なくす秘訣は

節約にもつながる食品ロスの削減ですが、政府が目標とする量を8年前倒しで達成したことがわかりました。ただ、事業者による貢献がほとんどで、家庭から捨てられる量はあまり減っていません。家庭でも無駄を減らす秘訣(ひけつ)を探りました。

物価高の今、東京・大田区にあるスーパー「マルヤス 大森町店」では、目を疑う値札がつけられていました。通常2000円の乾麺は、430円。ドリンクはたったの9円。

これだけ安いので、ついつい手がのびてしまいます。

常連客

「黒糖とハチミツを1個ずつ、これはおやつ」

安さのワケは…

常連客

「賞味期限が近かったりするものが、みなさんお目当てで来ます」

賞味期限を迎えてもまだ食べられるものや、パッケージに傷がついたものなど、“ワケあり商品”を集めた店だからでした。

マルヤス 松井順子代表

「“食品ロス”が多く出るという話は前から聞いていた。なんとかしたいなというところでスタートさせました」

「食品ロス」を減らすため6年前にオープンしたという店。取り扱っているワケあり商品は、7店舗で1000トンにのぼるというのです。

食品ロスについて先週、政府は最新のデータを発表。2030年度までに489万トンに削減するという目標を掲げていましたが、2022年度に発生した国内での食品ロスの量は推計472万トン。8年前倒しで目標を達成したのです。

それに大きく貢献したのが、飲食店やコンビニなどの食品関連事業者です。

「しゃぶしゃぶ」が食べ放題の「しゃぶ葉」では…

お客さん

「よく食べる方なので、頼んだ分は全部食べます」

元を取ろうとついつい注文しすぎてしまいがちですが、“取り過ぎ”“食べ残し”をお得なサービスで減らす工夫を始めています。

すかいらーくホールディングス広報 佐藤正悟さん

「きれいに食べきっていただいて、スマホで撮影いただいて、お会計時にご提示いただくことでドリンクバー割引券をプレゼント」

しっかり完食したお客さんは食後のテーブルを撮影。店員に見せて次回から使えるドリンクバーの割引券をゲットしました。

一方、一般家庭の食品ロスはというと…

夫婦(40代)

「キュウリを切って包んで冷蔵庫に入れておいて、しかも奥に行ってしまって、また違うキュウリを買って、腐って出てきたことある。もったいなかった、野菜高いから」

実は家庭が出す食品ロスの量はほとんど減っておらず、いまや大幅に減少した食品関連事業者と同じ量が捨てられています。

なぜ減らないのか。都内に住む6人家族の家で、食品ロス削減の専門家・福田かずみさんに無駄を減らすコツを聞きました。

さっそく冷蔵庫を拝見。

福田さん

「整理整頓、工夫されていますね」

主婦

「でも調味料関係を手前に置くようにしているんですけど、瓶ものが奥にたまっていたりとか」

女性の悩みという調味料類。“ドアポケット”を有効に使うのがコツで…

福田さん

「まずタマゴケースを取り外します。このあいた部分に収納していきます」

そこに調味料を入れるのがおすすめ。その際にルールが…

福田さん

「使用頻度が高いものは手前。(賞味)期限が近づいているものは特に手前に並べておいてあげて」

よく使うものほど目線の高さに置くのがポイント。専門家によると、買い物に行く前に冷蔵庫の写真を撮ることも無駄なものを買うことを防ぐコツだということです。

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