『インサイド・ヘッド2』北米V2&今年最大ヒット トム・ハーディらのバイク映画も好発進

ディズニー&ピクサー映画『インサイド・ヘッド2』旋風が続いている。北米公開2週目を迎えた6月21日~6月23日の週末興行収入は1億ドルで、変わらず週末ランキングの第1位をキープ。2週目の興行成績として歴代第7位、アニメーション映画では史上最高の記録を打ち立てた。

北米興収は3億5518万ドル、海外興収は3億6920万ドルで、全世界興行収入は7億2438万ドル。公開後わずか8日で、『デューン 砂の惑星PART2』を超えて今年最高のヒット作となっている。

『インサイド・ヘッド』(2015年)から9年越しの続編となる本作は、高校生になった少女ライリーの頭の中に、幼少期から彼女を見守るヨロコビ、カナシミ、ムカムカ、ビビリ、イカリに加え、“大人の感情”であるシンパイ、イイナー、ダリィ、ハズカシが登場。思いがけない感情の嵐が巻き起こる。

北米公開直後から想像以上の大ヒットを記録している『インサイド・ヘッド2』だが、2週目の成績は『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015年)や『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年)『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)、『ジュラシック・ワールド』(2015年)などの人気フランチャイズに続く好記録を達成。10億ドル突破も近いとみられている。

ちなみに2週目の下落率が前週比マイナス35.1%という数字は稀に見るもので、初登場で1億5000万ドル以上を叩き出した作品としては過去最高の成績だ。日本公開は8月1日、さらなる新記録の樹立に期待がかかる。

ランキングの第2位は、公開3週目の『バッドボーイズ RIDE OR DIE』。週末3日間の興行収入は1877万ドルで、北米興収はまもなく1億5000万ドルに到達する。世界興収も3億ドルを突破しようというところで、根強い人気がうかがえる推移となった。

なお『インサイド・ヘッド2』と『バッドボーイズ RIDE OR DIE』により、北米映画市場は2週連続で前年を上回る興行収入を記録。年間の成績も前年比76.2%から79%にまで縮まったという。

今週の注目は、第3位に初登場したバイク映画『The Bikeriders(原題)』。3日間の興行収入は1000万ドルで、事前の予想を上回るスタートとなった。作品のスケールやジャンルに対し、製作費は3500万ドルとやや高額だが、Rotten Tomatoesでは批評家スコア81%・観客スコア74%と手堅い評価を獲得しており、引き続き粘り強い興行が期待される。

THE BIKERIDERS - Official Trailer
『エルヴィス』(2022年)のオースティン・バトラーと『ヴェノム』シリーズのトム・ハーディが初共演した本作には、『フリー・ガイ』(2021年)のジョディ・カマー、マイケル・シャノン、ノーマン・リーダス、『チャレンジャーズ』(2024年)のマイク・フェイストという豪華キャストが出演。監督・脚本は『ラビング 愛という名前のふたり』(2016年)のジェフ・ニコルズが務めた。

もともと本作はディズニー/20世紀スタジオより2023年12月に北米公開予定だったが、全米映画俳優組合のストライキによって公開延期となったのち、ディズニーが配給権を手放した。これを受けてFocus Featuresが北米配給を新たに担当することになり、約半年遅れでの劇場公開となっている。日本公開は2024年秋の予定だ。

The Exorcism | Official Trailer
そのほか今週は、ラッセル・クロウが『ヴァチカンのエクソシスト』(2023年)に続いて再び除霊に挑む超常現象ホラー映画『The Exorcism(原題)』が第7位に初登場。今度は神父役ではなく、映画で神父を演じることになった俳優役だ。第9位『Thelma(原題)』は、93歳のおばあちゃんがオレオレ詐欺の犯人を追いかけるコメディ映画。Rotten Tomatoesでは批評家スコア99%という高評価を獲得した注目作とあって、日本公開の実現を祈りたい。

トップ10圏外だが、第14位には『哀れなるものたち』(2023年)のヨルゴス・ランティモス監督&エマ・ストーンが早くも再タッグを組んだ『憐れみの3章』も初登場。わずか5館ながら週末興収35万ドル(1館平均7万ドル)を記録し、限定公開作品としては今年最高のスタートを切った。次の週末には上映館数を増やし、7月3日には北米拡大公開となる。日本公開は9月3日。

北米映画興行ランキング(6月21日~6月23日)
1.『インサイド・ヘッド2』(→前週1位)
1億ドル(-35.1%)/4440館/累計3億5518万ドル/2週/ディズニー

2.『バッドボーイズ RIDE OR DIE』(→前週2位)
1877万ドル(-44.4%)/3781館(-104館)/累計1億4691万ドル/3週/ソニー

3.『The Bikeriders(原題)』(初登場)
1000万ドル/2642館/累計1000万ドル/1週/Focus Features

4.『ねこのガーフィールド』(→前週4位)
360万ドル(-24.5%)/3013館(-398館)/累計8514万ドル/5週/ソニー

5.『猿の惑星/キングダム』(↓前週3位)
360万ドル(-34.9%)/2410館(-190館)/累計1億6439万ドル/7週/20世紀スタジオ

6.『ブルー きみは大丈夫』(↓前週5位)
345万ドル(-56%)/3006館(-576館)/累計1億90万ドル/5週/パラマウント

7.『The Exorcism(原題)』(初登場)
243万ドル/2240館/累計243万ドル/1週/Vertical Entertainment

8.『Ghost: Rite Here Rite Now(原題)』(初登場)
239万ドル/751館/累計239万ドル/1週/Trafalgar Releasing

9.『Thelma(原題)』(初登場)
221万ドル/1300館/累計221万ドル/1週/Magnolia Pictures

10.『ザ・ウォッチャーズ』(↓前週6位)
194万ドル(-44.8%)/2423館(-928館)/累計1774万ドル/3週/ワーナー

(※Box Office Mojo、Deadline調べ。データは2024年6月24日未明時点の速報値であり、最終確定値とは誤差が生じることがあります)

参照
https://www.boxofficemojo.com/weekend/2024W25/
https://variety.com/2024/film/box-office/inside-out-2-box-office-record-second-weekend-1236045165/
https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-news/inside-out-2-box-office-soars-to-record-100m-weekend-1235930446/
https://deadline.com/2024/06/box-office-inside-out-2-record-bikeriders-1235980501/
(文=稲垣貴俊)

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