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林業の担い手不足が深刻となっている中、20日は森の中で働く女性を紹介します。
前職の経験をいかし力仕事も行う“林業女子”です。
緑の森の中に、ピンクのヘルメット…
山梨県南アルプス市の”林業女子”田尻愛海さん32歳です。
3年前、祖父の代から続く家業 田尻林業の一員となりました。
田尻林業 田尻愛海さん: 「前職がパーソナルトレーナーで、とにかく山が大好きで、どうにか大好きな森林に携わりたい…」
田尻さんの会社は木を伐採し、丸太に加工して市場などに卸しています。
この日の現場は、北杜市の県有林。
2か月間でおよそ5000本の木を材木にします。
田尻さんの相棒は、およそ7㎏のチェーンソー。
パーソナルトレーナーだった前職の経験をいかしてエンジンをかけます。
Q:どこの筋肉を使いますか?
田尻林業 田尻愛海さん: 「これはもう、一点集中で僧帽筋。ワンハンドっていう筋トレの早いバージョン。体の動かし方が分かるのでなんとかやっている」
とりかかったのは高さおよそ20mの木の伐採。
木の重心を見極め、切った後に倒れる方向を予測して、安全を確保しながら作業を進めます。
そして余分な枝などを切り、丸太に加工。
重機に乗り込み積み込み作業も行います。
長いときは約8時間、森の中で作業が続きます。
このため昼休憩も森の中です。
田尻林業 田尻愛海さん:
「きょうのメニューは、カルビ丼」
田尻林業 田尻愛海さん:
「森の中だから余計においしい」
林業を始めて3年。
大好きな森に囲まれている田尻さんですが、伐採中、チェーンソーの勢いに負けて吹き飛ばされた経験があります。
田尻林業 田尻愛海さん: 「チェーンソー使うにもやっぱり怖い。お家かえって寝ててもフラッシュバックして起きて汗だらけで、ずっとこれ続くのかな?っていう葛藤もありました」
田尻林業 田尻愛海さん: 「でも怖いけど現場来ちゃうと木たちに癒されて頑張ろうと思えた」
林野庁によりますと2020年度の林業従事者は全国で4万4000人。この40年で3分の1まで減少しています。
一方、県の調査によりますと、県内では2022年度がおよそ500人で、このうち女性は5人程度だということです。
木に励まされ恐怖を乗り越えた田尻さんは、自身の経験や作業内容をSNSで公開し、若い世代に林業を広めようと奮闘しています。
田尻林業 田尻愛海さん: 「木は寿命があり、腐ってしまうと水分を吸い上げることができない。元気な木があると土砂崩れを防げる」 「木を収穫して皆さんの手元に届けて、ここにまた新たな苗を植えられることは、すごく森林に貢献できていると実感している。また40年50年先の方へ繋げる産業。だから林業って奥が深い」
林業は未来につながる産業。
大好きな森林を絶やさないために田尻さんは、きょうも山へ向かいます。