古舘伊知郎 後輩アナが見せた陸上での「伝説的な実況」語る アクシデント続きのレース前に選んだ常識外れの手段

 古舘伊知郎

 フリーアナウンサーの古舘伊知郎が24日、TOKYO MX「バラいろダンディ」に出演。「世界陸上」の実況で行った後輩アナウンサーの伝説について語った。

 番組では米陸上選手が、パリ五輪の選考会で出走前に人気カードゲーム「遊戯王カード」を自慢げにカメラに向けて取り出したことが話題となったことを伝えた。

 それを見ていた古館は、元TBSの林正浩アナが「世界陸上」男子100メートル決勝の中継でのアナウンスを回顧した。

 「フライングが2回起こりデレーッとした時間が流れた。そこでは解説の人と『大変なことになりました』ってやっているんだよ。それで、さあ、いよいよ決勝仕切り直し。2回のフライング後であおらなきゃいけないという時に、1分黙り続けた。ものすごい緊張感がピークまで高まって、張り詰めた瞬間にバーンッ(と号砲)。そこから普通にあっというまの10秒くらいの実況が始まったんです」

 「あの1分の沈黙はめちゃ格好良かった」と古館。「これだけのアクシデントがあったから、見てくれている人は同じだよね。そしたらあえて、言葉でたたみかけるより、沈黙という言語でいこうか」と沈黙を選択した林アナの心理を読み解いた。

 そして「1分はアナウンサーでいえば10分くらいの感覚ですよ。ものすごい怖さですよ。でも林くんは黙った。これは伝説です」と語っていた。

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