宇都宮・大谷の奇岩群 県内初の「重要文化的景観」に選定 栃木・西方城跡は史跡に 国の文化審議会が答申

とちぎテレビ

国の文化審議会は24日、栃木県の2件を含む国内の史跡や景観など合わせて54件について国の指定や登録をするよう文部科学大臣に答申しました。

国の審議会は栃木市の「西方城跡」を国の「史跡名勝天然記念物」に新たに指定し、宇都宮市の「大谷の奇岩群と採石産業の文化的景観」を国の「重要文化的景観」に新たに選定するよう文部科学大臣に答申しました。

このうち「西方城跡」は宇都宮氏家中の国人層領主だった西方氏が中世後半から近世初頭に築いた栃木市にある山城です。城主の交代や北関東の政治的な緊張と連動して山城の規模や構造も大きく遷り変わり、当時の城郭や住居をかねた城館の形態と変遷、それに城を築く技術を知るうえで重要だということです。国の史跡に指定されれば栃木市として1982年度の「下野国庁跡」以来3件目で合併後ははじめてとなります。

一方「大谷の奇岩群と採石産業の文化的景観」は宇都宮市の大谷地域で近世に農家の副業として始められた採石を近代以降に地場産業とし、発展してきたことを今に伝えます。信仰や観光の対象であり続ける浸食や採石によって形成された奇岩群など28箇所におよぶ構成要素が特徴です。「重要文化的景観」は全国でこれまでに72件が選定されていて、今回は栃木県からのみ新たに1件が答申されました。

後日、官報に告示を経て正式に指定されると県内の国の史跡は39件で国の重要文化的景観は県内で初めてとなります。

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