日本の「不良文化」に変化!新世代の不良漫画の魅力とは?―台湾メディア

21日、台湾メディアのDRAMAGO(劇夠)に、日本の不良漫画の変化を伝える記事が掲載された。

2024年6月21日、台湾メディアのDRAMAGO(劇夠)に、日本の不良漫画の変化を伝える記事が掲載された。

記事はまず、「日本の『不良文化』は1970年代にさかのぼる。当時、反社会的意識や社会規範に反する若者たちは『ツッパリ』と呼ばれており、男子学生の間では通常の学生服(学ラン)を改造して着用し、女子学生の間では長いプリーツスカートや特攻服を着用することが流行していた。80年代には『ヤンキー』という言葉が使われるようになり、不良学生やそのファッション文化を指すようになる。当時、多くの漫画がこのサブカルチャーや価値観を取り入れ、『ビー・バップ・ハイスクール』や『今日から俺は!!』、『ろくでなしBLUES』や『湘南爆走族』などのヤンキーや暴走族を描いた代表的な作品が生まれた。この不良文化が人気を得た大きな理由の一つは、外見、強さ、信念の『かっこよさ』にあった。しかし、社会的な風潮や美意識の変化に伴い、不良は『ダサい』ものと見なされるようになり、その人気も徐々に衰えていった」と紹介した。

その上で、「しかし近年、2017年から22年にかけて連載されていた和久井健氏が原作の『東京卍リベンジャーズ』が登場し、新時代の不良漫画として人気を集めている。同作品はタイムトラベルの要素が取り入れられ、平凡な主人公・花垣武道(はながきたけみち)が過去に戻り、未来に関する知識を使って暴走族『東京卍會(とうきょうまんじかい)』に深く関わって元恋人と仲間を救うという物語。武道は決して強いキャラクターではなく、いつも失敗する泣き虫な性格。しかし『過去に戻る』ことで、彼は何度も失敗を修正し、後悔を埋めていく。かっこよさは他のキャラクターやヒロインに任せ、キャラクター同士の絆に重点が置かれているのが物語の魅力だ」と評した。

また、「21年に連載が開始された『WIND BREAKER』は、『東京卍リベンジャーズ』のようなSF要素や複雑なタイムラインはないが、昔ながらの不良漫画の基本に立ち返った純粋な作品で、正々堂々とした対決を描きつつ、キャラクターたちに温かい背景設定を加えている。主人公・桜遥(さくらはるか)は特殊な外見と粗野な言動から、いつも他人に敬遠されていた。疲れ果てた彼は、目の前の敵を倒すことでしか自分の価値を証明できないと考え、偏差値が低く、喧嘩で有名な不良高校・風鈴高校に進学し、拳で学校一を目指そうとする。しかし、桜は本来の純粋で正義感の強い性格から東風商店街のカフェの女の子を助け、逆に報復を受けることになってしまう。そんな危機に陥った桜を救ったのは、世間から『問題児』と見なされている風鈴高校の先輩たちだった。実は、この商店街の治安は非常に悪く、彼らは住民に信頼される自警団・防風鈴(ボウフウリン)を結成して活動していたのだ。桜は新しい環境に身を置き、新しい仲間に出会うことで、孤独だった人生を豊かで色鮮やかなものに変えていく。各エピソードで少しずつ変化する桜の姿は、視聴者にほっとした笑顔をもたらしている」と述べた。

さらに、「『WIND BREAKER』が日本で放送開始された際、東京・渋谷にあるハンバーガーチェーン・バーガーキングで同作品とのコラボキャンペーンが行われていた。当時、店舗は落書きだらけにされていたが、外に掲げられていた求人広告をよく見ると、募集条件に『平和を愛する高校生、仲間思いな人、てっぺんを目指している人』と書かれていた。しかし後日、同店舗は『東風商店街店』として一新され、店外には『人を傷つける者、物を壊す者、悪意を持ち込む者、何人も例外なくバーガーキングで働くボウフウリンが粛清する』と書かれた看板が立てられた。このキャンペーンでは、不良キャラクターたちを起用する独創的なマーケティング手法を通じて、多くの人々に愛と平和のメッセージを伝えることに成功した」と言及した。

記事は、人気漫画「バクマン。」に登場する名言として「少年漫画ってもっと不健全な作品がいっぱいあっていいんだよ。聖書や教科書じゃないんだ。PTAを敵に回すくらいの方が面白え」という言葉を紹介。「われわれは子どもの頃から、大人たちに『漫画を読むな、漫画は悪影響を与える』と言われ続けてきた。しかし、漫画やアニメ、いわゆる『物語』は、直感的に正しい価値観を伝えるだけではなく、もっと多くの娯楽性、魅力、不健全な要素を含むことができる。登場人物の言動に隠されたが思いや動機が『正論』に挑戦することで、作品に多様性と面白さが生まれる。新世代の不良漫画も(過去の作品と)同じように魅力的なのだ」と結んだ。(翻訳・編集/岩田)

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