新たな質の生産力、新興・伝統産業ともに重要 新華社経済円卓会議

新たな質の生産力、新興・伝統産業ともに重要 新華社経済円卓会議

鉄鋼世界大手・中国宝武鋼鉄集団の中核子会社、宝山鋼鉄(上海市)の工場。(5月22日撮影、上海=新華社記者/龔兵)

 【新華社北京6月24日】新華社が24日配信したオムニメディア(全媒体)形式の討論番組「中国経済円卓会議」(第6期)で、有識者らは「新たな質の生産力」(科学技術イノベーションが主導し、質の高い発展を促す生産力)の発展には新興産業、従来産業ともに重要との認識を示した。

 新たな質の生産力は2023年に初めて提起された概念で、従来の経済成長モードや生産性向上の道筋から脱却した先進的な生産力を指し、ハイテク、高効率、高品質を特徴とする。

 国家発展改革委員会に属する研究機関、中国マクロ経済研究院の黄漢権(こう・かんけん)院長は討論で、戦略的新興産業と未来産業こそ新たな質の生産力を形成する鍵であり、従来産業も重要な意義を持つと指摘。「従来産業は産業システムの約8割を占め、システムの礎石、最大の基盤になっている」と語った。

 科学技術部直属の政策研究機関、中国科学技術発展戦略研究院の劉冬梅(りゅう・とうばい)共産党委員会書記も黄氏の意見に同調し、従来産業の健全な発展がなければ、新興産業と未来産業はサプライチェーンの混乱リスクに直面する可能性があると指摘した。

 新興産業と未来産業が生み出す新しい技術やプロセスが従来産業に利益をもたらす可能性にも言及し「両者には補完性があり、統合できると信じている」と語った。

 黄氏は、人工知能(AI)などの新しい技術やパターン、ビジネスモデルは従来産業でも応用可能であり、従来産業は川上と川下のサポートを提供できると指摘。各地域は優位性を最大限発揮し、競争力のある画期的な産業を資源と技術、人材、企業の融合を通じて育成していくべきとの考えを示した。

 劉氏は、地域の実情に合わせた新たな質の生産力の育成には各地の資源や産業基盤、国の発展計画を組み合わせ、秩序正しく進める必要があると語った。

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