カナダが中国製EVに関税検討、米EUに追随 過剰生産に対応

David Ljunggren Ismail Shakil

[オタワ 24日 ロイター] - カナダのフリーランド副首相兼財務相は24日、中国製の電気自動車(EV)に関税を課すかどうかを検討しており、一般からの意見(パブリックコメント)を募ると発表した。政府からの多額の補助金を問題視する同盟国と足並みをそろえる動き。

フリーランド氏は、中国の「過剰生産を助長する政策」がカナダ自動車産業を不公平な競争にさらし、「意図的に世界的な供給過剰を引き起こすことで、カナダを含む世界中のEVメーカーに打撃を与えている」という認識を示した。

カナダ政府は対応策について7月2日から30日間の協議期間を設ける。

中国製EVを巡っては、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会が12日、7月から最大38.1%の追加関税を課す暫定措置を発表。バイデン米大統領も5月、EVを含む中国からの輸入品に対する関税を大幅に引き上げると発表している。

フリーランド氏はEUと米国の措置に言及し、対応策には輸入品への関税が含まれる可能性があると述べた。電池などのEV部品も対象になるかといった詳細には触れなかった。

「われわれは何も排除しない。貿易措置の最も強力な手段を用いる」と語った。

中国は補助金や過剰生産能力の問題を否定し、国内EV産業の発展は技術、市場、サプライチェーン(供給網)の優位性によるものと主張している。

フリーランド氏の発表前に中国共産党系紙「環球時報」は論説記事で、カナダは戦略的に合理性を保つべきとし、「米国の戦略的利己主義のために中国との正常な経済交流を犠牲にしない」よう求めた。

© ロイター