信号機ない横断歩道の一時停止率、5年間で2割未満→5割超えに改善 青森県内3市

信号機のない横断歩道を渡る歩行者。車が一時停止する割合は改善されている=24日、青森市(写真は一部加工しています)

 信号機のない横断歩道を歩行者が渡ろうとする際、車が一時停止する割合が青森県内3市(青森、弘前、八戸)で年々改善傾向にある。6月25日の「無事故の日」に合わせ、県内で自動車教習所の「モータースクール」などを展開するムジコ・クリエイト(本社弘前市)が調査結果を発表。今年は、2019年の初回調査以降、初めて3市全てで一時停止率が5割を超えた。関係者は「交通ルールの意識が高まってきた」と一定の評価を示している。

 今年は6月に調査を実施。最も停止率が高かったのは弘前の67.2%(前年比9.8ポイント増)。八戸52.1%(同12.1ポイント増)、青森52.0%(同16.8ポイント増)といずれも上昇した。

 横断歩道の手前で歩行者が手を上げた場合、八戸では96.2%(同34.8ポイント増)の車が停止。弘前は72.7%(同2.0ポイント増)、青森は67.2%(同10.9ポイント増)だった。

 信号機のない横断歩道での一時停止率は、日本自動車連盟(JAF)が毎年全国で調査を行っている。青森県全体の23年の停止率は47.4%で、全国平均の45.1%を上回った。ムジコ社は、JAFの調査基準に準じて県内3市で独自に調査を行っている。

 19年の初回調査では、3市の停止率が2割にも満たなかった。

 改善傾向に対し、同社の棟方悟・経営戦略室長は「近年は横断歩道の前で減速したり、ジェスチャーをして歩行者に道を譲る車をよく見かける。さまざまな啓発活動の成果もあり、県民の交通ルールの意識向上が見受けられる」と指摘。その上で「本来、停止率は100%であるべきだ。悲惨な事故を防ぐため、改めて譲り合いの心を持って運転してほしい」と呼びかけた。

 県警交通企画課によると、県内で横断歩道を歩行中に事故に遭い、死傷した人は21年121人、22年130人、23年144人。このうち死者数は21年2人、22年6人、23年2人だった。

© 株式会社東奥日報社