流木や花びら使い「祈り」表現 奈良市の東大寺観音院で「花会」

バラの花びらを振りかけて流木を供養する参加者=21日、奈良市雑司町の東大寺観音院

 奈良市雑司町の東大寺観音院で21、22の両日、「花会(はなかい)」が開かれた。花人を自称する杉謙太郎さん(49)が「花」としてとらえている流木や木の枝、花びらの絞り汁などを使ってさまざまなパフォーマンスを披露し、神仏への気持ちを表現した。

 神仏への供え物として始まった「花」の原点を考えてもらおうと、杉さんが代表を務める「花と仏像実行委員会」が主催した。

 初日の21日には生け花愛好家ら約30人が参加。杉さんは白い台をステージにヒナゲシの茶色の種を使って奈良盆地を表現したり、タンポポの綿毛を飛ばしてステージ上に集めたり、ハナミズキの白い花びらを流木の上に並べるなどのパフォーマンスを展開。また、赤いバラの花びらを絞った液体を、傾斜させた白い紙の上からたれ流す「花の滝」なども披露した。

 パフォーマンスごとに同実行委員会メンバーである境祐希さんが解説。打楽器奏者のスティーヴ・エトウさんがいろんな楽器を駆使して効果音を出し、パフォーマンスを盛り上げた。最後は、参加者全員が白い台の上に置かれた流木に、バラの花びらを振りかけて供養した。

 生け花を習っており、杉さんのファンという40代のフォトグラファー、錢高幹子さん=京都市=は「花の滝などのパフォーマンスを見て宇宙と地球を賛歌していると感じた」と話した。

 杉さんは「東大寺という場所で開催させてもらえてありがたい。花会は私の師匠が始めたが、私は好きなように自由にやらさせてもらっている。みなさんに楽しんでもらったようでよかった」と述べた。

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