森島酒造 初の頂点 おいしい日本酒 「サケ コンペティション」スーパープレミアム部門 茨城

受賞酒を手に「辛抱強くやってきたかいがある」と喜ぶ杜氏の森嶋正一郎専務=日立市川尻町

世界一おいしい市販の日本酒を決める品評会「サケ コンペティション2024」で、森島酒造(茨城県日立市)がスーパープレミアム部門で1位、純米大吟醸部門で7位を獲得した。こだわり抜いた逸品で初の頂点を極め、杜氏(とうじ)の森嶋正一郎専務(49)は「辛抱強くやってきたかいがある」と喜びを語った。

同品評会(実行委員会主催)は、日本酒の魅力を消費者に分かりやすく伝えようと、2012年から始まり、今回で10回目。24年度は「純米酒」「純米吟醸」など全5部門に対し、日本全国の酒蔵から1000点が出品され、醸造の腕を競った。

同社は、720ミリリットルで税抜き1万円以上と高価格帯が対象の「スーパープレミアム部門」で「富士大観 秘蔵酒 限定大吟醸」が1位を獲得。純米大吟醸部門では「森嶋25+ SILVER 純米大吟醸」が7位に選ばれた。スーパープレミアム部門は今回が初出品といい、森嶋専務は「いきなり1位をいただき、何かの間違いかと思った」と振り返った。

創業は1869年。2019年に創業150年を迎えたのを機に、これまでの柱だった銘柄「大観」を一新。日本画家、横山大観の作品が富士山を題材にしたものが多い点や、日本一の意味を込めて「富士大観」とした。同年、「大観」の伝統を踏襲しつつ、今の時代に合わせた新銘柄「森嶋」を発売した。

「富士大観 秘蔵酒-」は優雅で華やかな味だが、後味に切れがあり「確かな一本」(森嶋専務)。香りや甘みを引き算し、透明感のある一本に仕上げた「森嶋25+ -」は、日本航空国際線のファーストクラスでも提供された。常に95点以上の酒造りを心がけるという森嶋専務。「いつ、どれを飲んでもおいしい酒を」と改めて目標を定めつつ、今回を機に「ハイクラス層や海外向けにも展開していきたい」と市場開拓に意欲を見せた。

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