地震で被災の露天風呂復旧、応援に感謝 富山県南砺市の「ぬく森の郷」26日イベント

施設の前で常連客と談笑する東島社長(右)=福光医王山温泉「ぬく森の郷」

 能登半島地震で露天風呂が被災した富山県南砺市小又(福光)の温泉施設「福光医王山温泉『ぬく森の郷(さと)』」が26日、「露天風呂の日」にちなんでイベントを開く。露天風呂は復旧を願う人の声を受けて5月に再開。客足はまだ戻りきってはいないものの、運営会社は「応援してくれた人への感謝を込めて企画した。多くの人に来てもらいたい」と呼びかけている。

 ぬく森の郷は、南蟹谷地区の住民が温泉を掘り当てたことを機に、旧福光町が2001年に整備した。南砺市の公共施設再編に伴い、18年に市から地元住民でつくる運営会社に譲渡された。

 源泉掛け流しで、四季折々の景色が広がる広い岩露天風呂が人気で、被災前は地元や金沢などから年間1万2千~1万3千人の利用があった。地震で露天風呂がひび割れ、機械室のポンプや配管も破損。東島徹社長(68)は「営業再開はかなり厳しいと思った」と振り返る。当初は内風呂だけの営業を続けたが、施設の存続には露天風呂の再開は欠かせず、3カ月かけて工事を行い、5月に復旧させた。

 イベントでは、通常より1時間早い午前8時から営業し、無料入館券や食事券などが当たるくじ引きを行う。小学生以下は入館料を無料にする。また、7月末までは能登半島地震で被災した人を無料とする。東島社長は「露天風呂の復旧を機に、新たなファンも増やしたい」と話している。

能登半島地震で被災し、復旧した露天風呂

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