デジカメアイテム丼:独自機構でアクセサリーを素早く着脱/SmarllRigの新カメラケージ Sony α7R V / α7 IV / α7S III用HawkLockクイックリリースアドバンスドケージキット(4539)

by 武石修

SmallRigが発売した「Sony α7R V / α7 IV / α7S III用HawkLockクイックリリースアドバンスドケージキット(4539)」を紹介したい。独自のクイックリリース機構で素早く組み立てられるというケージ(リグ)のキットとなっている。直販価格は4万6,990円(税込)。

カメラケージ(以下ケージ)というと以前は「動画のプロ向けアイテム」といった雰囲気だったが、最近はアマチュアユーザーでも使う人が増えているようだ。

ケージの参入メーカーが増えて低価格化が進んだことに加えて、各機種専用モデルの充実もあって導入しやすくなったのだろう。今では、ケージを付けた状態で使われているカメラをしばしば見かけるようになった。

キットをセットアップしたところ。カメラはα7R V(以下同)

SmallRigは比較的価格を抑えたケージのメーカーとして躍進しており、アイテムの種類も多い。新型カメラの発売に合わせて専用ケージをいち早くリリースするなど、実力のあるブランドとして知られている。

さて、カメラケージの業界でいまトレンドになりつつあるのがクイックリリースを採用した製品だ。これまではハンドルなどをネジで取り付けていたため、撮影現場での組立と分解に時間を要していた。それがワンタッチに近い形で着脱できるようになり、ここにきていくつかのメーカーが採用を始めている。

しっかり固定できるクイックリリース

今回のケージキットもそうしたクイックリリース式のタイプで、独自の「HawkLock」という方式を採用している。対応機種はソニーα7R V、α7 IV、α7S III。ちなみに、HawkLock対応のパナソニックLUMIX GH7/GH6用も7月に発売予定となっている。

内容はケージ、トップハンドル、回転式サイドハンドル、モニターサポート、HDMIケーブルクランプ、六角レンチ。動画撮影ですぐに使えるパッケージと言って良いと思う。バラ売りもある。

パッケージ内容

まず気になるのはクイックリリースの固定具合だが、これは全く問題なし。ボタンを押しながらスライドさせると自動的にロックされる仕組みなのだが、かなりしっかり固定されるので、ぐらつくようなことは無かった。

各部の加工精度も良いようで、カメラにもしっかりフィットする。角も面取りされているので、ケージ上からでもカメラのグリップは持ちやすい。

もちろん他のケージ同様、本体やトップハンドルには1/4ネジ穴がたくさん空いているので拡張性は高い。

ケージはアルミニウム合金製で軽量だ
たくさんの1/4ネジ穴があるが、この部分もHawkLock対応の形状になっている
グリップ側はカメラに合わせた形状に加工されている
底面。アルカスイスタイプの溝を備えている

トップハンドルは下側にラバーがあるのと、曲線に加工してあるので、滑りにくく持ちやすかった。HawkLock対応のシューとコールドシューが前後にある。

トップハンドル
トップハンドルの取り付け部

サイドハンドルはローテーションできるので、アングルに合わせて角度を変えられる。手持ちでも安定して動画を撮影したいならサイドハンドルもぜひ揃えたいアイテムだ。

サイドハンドルは大きめでしっかり持てる
斜めのボタンを押すとローテーションのロックが解除される

モニターサポートは外部モニター用の小さな雲台。上下に動くので、見やすい向きにモニターを向けられる。そしてモニターに映像を送るのはHDMIだが、そのケーブルクランプも付いており、大きめのコネクタでもしっかりと固定できた。

モニターサポート。取り付け部はコールドシューの形
モニターの取り付け例
HDMIケーブルクランプ。これも金属製だ
このようにコネクタに合わせて幅を調節できる

オプションも充実

さらにHawkLock対応のオプションを3つ紹介する。

「HawkLock H21クイックリリースモニターマウント NATOクランプ付き(4487)」(6,990円)はモニターマウントの上位品。ネジが大型でよりしっかりとモニターを固定できるほか、上下だけで無く左右にも動く。NATOレール式のため、レールの長さに応じてスライドできるのが特徴だ。

ベースがNATOレールなのでスライドが可能
レンチを穴に通してネジを締め付けられるメリットも

「HawkLock H38 Arca-Swiss クイックリリースマウントプレート(4486)」(5,290円)は、いわゆるカメラ用のクイックシューだが、これもHawkLockのシステムなので、着脱時はボタンを押すだけと簡単だ。アルカスイスタイプなので、リグの底面にもシュー無しで装着できる。

ボタンロック式のクリックシューだ
裏面。シューのネジは1つにすることもできる
HawkLock対応ケージならそのまま装着可能

「HawkLock H21クイックリリースマウントプレートキット(4491)」(3,490円)は、1/4ネジ穴で接続するアイテムをクイックリリース化できるアクセサリーだ。例えば、1/4ネジ穴に付ける外部マイクなどで使えば着脱が簡単になる。

シューにある回転防止ピンは外すことも可能
トップハンドルに装着したところ

このほか、HawkLock対応のアームも数種類用意されている。

セットアップの速さが魅力

ケージでは名の通ったブランドである同社製品らしい作りの良さや創意工夫が感じられるアイテムだった。やはりネジで各部を固定するよりも、セットアップがはるかに早いのは時間の無い現場では助かるところだろう。

動画撮影を本格的に始めたくてケージを考えているなら、こうしたクイックリリースタイプも検討してみると良いと思う。

ガンメタリックのカラーで見た目も格好良くなる

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